近鉄は、3月20日に開業した阪神なんば線について、同線経由で1日平均22,000人の利用があることを明らかにした。
同社は阪神なんば線開業に伴い、開業日から阪神電鉄と三宮-近鉄奈良間で相互直通運転を開始した。同社によると、開業日から3月末までの12日間で、前年比6,000万円の増収となり、阪神なんば線効果によるものとみている。また、開業日から4月末までの約40日間で、大阪難波駅を定期券以外で降車した利用客は前年比3割増、近鉄奈良駅では同1割増だったという。
相互直通運転開始前の今年2月には三宮-近鉄奈良間が1日乗り放題になる切符「相互直通運転開始記念 阪神-近鉄 お試しチケット」を販売、1日で完売する人気ぶりだった。両社は、第2弾として伊勢神宮への参拝など伊勢志摩観光に必要な乗車券類をセットにした「阪神・近鉄相互直通運転開始記念 お伊勢さんきっぷ」を販売し、阪神なんば線の利便性をPRする。
同切符は、阪神三宮駅など阪神全線の各駅から伊勢志摩地区への乗車券と特急券(引換券)に加え、伊勢市駅から賢島駅までと伊勢神宮へのアクセスに利用する三重交通バスが乗り放題になる切符。大阪府、京都府、奈良県の近鉄各駅(ケーブル、ロープウエーを除く)からも利用できる。有効期間は6月1日~6月30日の連続2日間。大人=5,000円、小児=2,500円で販売する。11,000枚(うち小児=1,000枚)限定。近鉄広報担当の坂本浩之さんは「三宮駅から伊勢神宮を往復すると通常7,680円(大人)かかるので大変お得」と話す。
同切符には、伊勢志摩の7観光施設の入場料が割引になる特典が付いており、阪神なんば線を介して伊勢志摩への観光需要に対応する。坂本さんは「神戸方面からの利用客に、伊勢志摩へは阪神なんば線を使うことで、今まで以上に行きやすくなったことを実感してもらえれば」と話す。
阪神梅田駅や三宮駅などの駅長室、近鉄主要駅などで販売する。