阪神なんば線、開業から50日-利用客の認知進む

相互直通運転開始初日の大阪難波駅

相互直通運転開始初日の大阪難波駅

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 3月20日に開業した阪神なんば線は開業から50日がたち、利用客の認知が進んでいる。

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 同線は、西九条-大阪難波間を結ぶ新線で、開業後は阪神西大阪線(尼崎-西九条間)部分も阪神なんば線に含めた。開業と同時に、阪神電鉄と近鉄が相互直通運転を開始、三宮-近鉄奈良間を最速76分で結ぶ快速急行を運転する。両社が開業前に販売した1日乗り放題の切符「相互直通運転開始記念 阪神-近鉄 お試しチケット」は販売開始当日に完売し、期待の高まりが表れた。相互直通運転開始後には、神戸、奈良の各都市への観光需要に対応した1日乗り放題のフリー切符を販売する。

 相互直通運転開始から50日が経過し、三宮-近鉄奈良間の快速急行を中心に認知が進んでいる。平日・日中の時間帯では、大阪難波駅の三宮行きホームには快速急行を待つ利用客の列ができている。奈良方面から大阪難波駅を越えて三宮方面へ乗り通す客も加えると、主に三宮寄りの車両で立ち客が見られるなど利用客の多い状況が続く。関西の鉄道ネットワークに新たな東西軸ができたことで、これまで乗り換えを余儀なくされ、神戸-奈良間が心理的に遠く感じていた両都市の住民が直通列車の誕生でそれぞれの都市を訪れるきっかけになっている。

 両社の境界駅である大阪難波駅周辺では、相互直通運転開始をミナミ活性化のきっかけとして歓迎するムードが広がった。高島屋大阪店では、阪神なんば線開業直前に祝賀イベントを実施、神戸方面からの来店客の取り込みを狙う。阪神電鉄の子会社「大阪ダイヤモンド地下街」が運営に携わる心斎橋ビッグステップは、4月25日にリニューアルし、アメリカ村のランドマークとして地域力の底上げを狙う。

 ミナミ周辺では、今年6月には湊町に複合商業ビル「マルイト難波ビル」が竣工、「ホテルモントレグラスミア大阪」が入居、ジュンク堂書店も入居する見通し。今秋には戎橋に商業ビル「ラズ心斎橋」が竣工、核テナントとしてスウェーデンのカジュアル衣料チェーン「ヘネス・アンド・モーリッツ(H&M)」が出店し、ミナミ周辺での開発が続く。

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