プラトン著「ソクラテスの弁明」を関西弁に翻訳した「ソクラテスの弁明 関西弁訳」(PARCO出版)が5月15日、出版された。
同書を手がけたのは、大阪・ミナミのグラフィックデザイン会社「一八八」(大阪市中央区千日前1)。関西弁への翻訳は、同社社長でシステムデザイナーの北口裕康さんが担当。大阪の料亭「菊水」に生まれ、以来ずっとミナミで暮らしてきた。
出版社からの出版の打診を受け、企画、執筆に1年をかけた。「難解と思われがちな哲学書を関西弁に翻訳することで、読みやすくなったのはもちろん、ソクラテスというおじいちゃんに感情移入できるということに気が付いた」(同社コピーライターで北口さんの妻、村上美香さん)。
関西弁に翻訳するにあたり、まずは現代の日本語に訳してから、それを関西弁に書き直した。「関西弁にも船場言葉や現代のギャル語などいろいろな言葉があるが、どのラインで行こうかと考えた時に、桂米朝さんの落語のような品のいい感じが、70歳過ぎのソクラテスを表現するのにはぴったりだと思いついた。粋な大阪のおじいちゃんとして表現したかった」と村上さん。
40~50代の男性がメーンターゲットだが、「生きる指針が欲しいと思っている人にはぜひ読んでほしい」(同)とも。
B6版変型、160ページ。1,260円。全国主要書店で販売している。