大阪シティエアターミナル(愛称=OCAT)5階の書店「丸善なんばOCAT店」(大阪市浪速区湊町1、TEL 06-6635-3225)が9月末で閉店する。
同店は1996年、JR難波駅再開発計画(愛称=ルネッサなんば)の一環として開業したOCATの核テナントとして入居した。OCATは1994年に開業した関西国際空港への大阪市内からのアクセスターミナルとして期待され、当初は直通列車が頻繁に運転されたほか、OCAT内で飛行機の搭乗手続きが行えるなどしていたが、いずれも廃止された。現在はJR難波駅のほかバスターミナル、店舗、公的機関の事務所などが入居しているが、3階「酒、輸入食材、ファッションと雑貨のフロア」北側のほとんどの店舗が閉店しているなど、テナント撤退が相次いでいる。
9月末での閉店が決まった同店は、5階「書籍とレストランのフロア」南側の大部分を占める。和書・洋書・文具などを販売しているが、来店客はまばらで収益状況が厳しかった。丸善は2007年7月にも、そごう心斎橋本店に出店していた店舗を閉店しており、今回のOCAT店の閉店で大阪市内からは丸善の店舗が姿を消す。
OCAT周辺では6月29日にマルイト難波ビルが竣工し、7月22日には3階に「ジュンク堂書店難波店」が、地下1階に「COMICS JUNKUDO 難波店」が開業している。OCAT地下1階にあるJR難波駅の改札口横の連絡通路からマルイト難波ビルを抜け、なんばウォーク方面へと歩く人が多く、その際に「COMICS JUNKUDO 難波店」の横を通ることからジュンク堂の認知が進み、従来は丸善を利用していた客がジュンク堂へとシフトしている可能性もある。
丸善、ジュンク堂は共に大日本印刷の子会社で同一グループであり、実質上、「丸善なんばOCAT店」は「ジュンク堂書店難波店」に統合されたと見ることもできる。