大阪・千日前の「レジャーシティ味園ビル」1階にリニューアルオープンした「GALAXY GALLERY(ギャラクシーギャラリー)」(大阪市中央区千日前2、TEL 06-6585-7285)で現在、「ポップなグラフィティ作品」を生み出すアーティスト・MASAGONさんの個展「MASAGON LAND!!!」が開催されている。
「自由奔放で新発見に満ちた空間」をコンセプトに、2009年4月に誕生したギャラクシーギャラリー。運営するのは、クラブイベント「FLOWER OF LIFE」やウェブショップ、Tシャツなどの制作販売を手がける「Cosmic Lab」。同ビル2階の1室で11の企画展を開催した後、「昔はカラオケバーだった」(Cosmic LabのCOLOさん)という100坪弱の空間を利用して今年1月にリニューアルオープンした。「できるだけあるものを生かして改装した」(同)という空間は、入り口のカフェバーを抜けると、3部屋が連なったギャラリー、ウェブショップの実店舗、シルクスクリーンの工房が並ぶ。COLOさんは、「味園は人を引きつける独特の宇宙観を持った『パワースポット』。その特徴を生かしながら今の感覚をはめていくことで、時代を超えた面白いものを発信できれば」と意欲をみせる。
同ギャラリーが今回、リニューアル後初の単独企画展を依頼したのは、大阪在住のアーティスト・MASAGONさん。もともと服飾デザイナーとして活躍していたMASAGONさんは、「ストリートスナップやクラブでゲリラ的に自分の洋服を宣伝するため、顔隠し用のフェースマスクを作っていた」と話す。そのマスク作りがきっかけとなり、2003年から本格的に制作を開始。グラフィティの手法をベースに、スプレー缶をビーズと刺しゅう糸に持ち替え、洋服やキャンバス、カラーコーンなどさまざまな素材にカラフルでユニークな世界観を描き出す。
昨年は、雑誌「IN/SECTS(インセクツ)」とのコラボ企画展、アパレルブランド「and A」とのコラボ商品、マーク・ジェンキンスさんがキュレーションを務めたフランスのアートフェスに参加するなど、精力的に作品を発表してきたMASAGONさん。今回はその集大成として、フランスの子供たちとワークショップで制作したマスクを再現した「FACE HEAD」(各2万~3万円)、オリジナルの熊の顔を一体ずつ手縫いした人形「MASAGON BEAR」(各3万円)、新作の「MOJAGON」(大=各22万5,000円、小=各4万5,000円)シリーズなど約20点を展示販売するほか、併設する「MASAGON SHOP」では、「Trend Is Money」などの文字を一粒ずつビーズで縫い付けたTシャツやバッジも販売する。
一見すると、どこか愛らしさの漂うMASAGONさんの作品。しかし実際には、古着を利用していたり、ブランド品のロゴをもじっていたりと、「大量消費に対する反発」が込められている。「笑ったり驚いたり…五感のどこかに響くものが自分にとってのアート。『ディズニーランド』のような体験をしてもらえたらという思いでタイトルをつけた。作品を見て触って楽しんでもらえたら」と期待を寄せる。最終日の3月6日には、クロージングパーティーも行われる。
営業時間は16時~23時。木曜定休。入場無料。3月6日まで。