写真ギャラリー「アビィ」(大阪市中央区南船場2、TEL 06-6261-7383)で7月5日、廃れた景色や廃虚にスポットを当てた写真展「廃景●8」が始まった。
同展は、同ギャラリーのオープン以来、毎年行っている人気の公募展(初年度のみ2回実施)。8回目となる今回は、イグレック・ヌマタさん、花谷吉幸さん、吉田泉さん、同ギャラリーオーナーの吹雪大樹さんの4人が撮影した廃虚や廃虚をイメージさせる写真32点を展示する。
白と黒を対比させた花谷さんは、瀬戸内海にある廃虚となった白亜のリゾートホテルで撮影した写真と、軍艦島(長崎県)で月光を頼りに長時間露光により撮影した、グレート廃虚と星空の写真を出展する。「バブルのころに作った特徴ある建物は、廃虚となるとより無残に見える」と吹雪さん。
今回初めて出展した吉田さんは、友ヶ島(和歌山県)の戦争遺跡などをデジタルカメで撮影、パソコンで色調整を行うことで廃れた雰囲気を出した。そのほか、病院などを撮影したヌマタさんの作品や、吹雪さんが2000年ごろから数年間かけて撮影したさまざま廃虚写真も展示する。
吹雪さんは「人間の都合で作って、人間の都合で壊される建物の最期をみとってあげたい」と廃虚写真の魅力を話す。「廃虚写真というとグレーの世界をイメージされるが、意外に色鮮やかなものもある」とも。
開廊時間は12時~19時。入場無料。今月10日まで。