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アメリカ村で「パンクな修道女」コリータのセリグラフ展-トーク企画も

会場では社会問題を扱ったメッセージ性の高い60年代の作品を中心に展示

会場では社会問題を扱ったメッセージ性の高い60年代の作品を中心に展示

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 修道女としての生き方を全うしながら、1960年代~70年代にかけて数多くのセリグラフ作品を残したアーティスト、シスター・コリータ・ケントを紹介する「C is for Corita! シスター・コリータのセリグラフ展」が現在、アメリカ村のギャラリーカフェ「digmeout ART & DINER」(大阪市中央区西心斎橋2、TEL 06-6213-1007)で開かれている。

斬新な色使いとポップなデザインで反戦を訴えた作品

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 7月に東京・渋谷のギャラリー「kit gallery」とカフェ「Tas Yard」の2カ所で行われた作品展の巡回展となる同展。東京での開催を聞きつけたdigmeoutマスターの古谷高治さんが、「うちでもやらせてほしい」とラブコールを送って実現した。「9月に当店が5周年を迎えることもあり、いい展示をしたかった」と古谷さん。シスター・コリータがメッセージ性の高い作品を発表し始めた60年代の作品を中心に30点展示する。

 1918(大正7)年米・アイオワ州生まれのシスター・コリータは、1936(昭和11)年に修道女となった。ロサンゼルスにあるカトリック系の女子校で美術を教える傍ら、1951(昭和26)年に南カリフォルニア大学美術史修士課程を修了。以来、カリグラフィーやコラージュの手法を用いた数多くのセリグラフ作品を残した。特に60年代後半には、社会問題を扱ったメッセージ性の高い作品を発表したほか、生徒たちと企業のために作品を共同制作するなど、そのユニークな活動で雑誌やテレビの注目を集めた。

 40年以上も前に制作されたとは思えない斬新な色使いとポップなデザインが魅力のシスター・コリータの作品。古谷さんは「ちょっとパンクっぽかったりするなど、作品自体とても自由な発想からできている。美術を教えていた女子校では、ユニークな指導法で生徒たちにアートを通じた『ものの見方』を伝えており、生き方も含めてすてきな方だった」とその魅力を語る。「今まで、日本では知る人ぞ知るアーティストだった。このようにきちんとした形で紹介されるのは今回が始めてなので、いろいろな方に見に来ていただきたい」と来場を呼び掛ける。

 営業時間は11時~翌3時(土曜・日曜・祝日は24時間営業)。入場無料。今月26日まで。

 最終日の26日には、同展の主催者、ギャラリーオーナーの松田”chabe”岳二さん(kit gallery)と編集者の岡本仁さん(Landscape Products)を迎えてトークショーを行うほか、シスター・コリータに関するアーロン・ローズ監督の短編ドキュメンタリー「Become a Microscope」(2008年制作、日本語字幕なし)も上映する。開演は19時30分(開場19時)。入場料1,000円。要予約で先着60人限定。電話・店頭で予約を受け付けている。

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