南堀江の美容室「Vaselines(ヴァセリンズ)」(大阪市西区南堀江2、TEL 06-6110-8883)で現在、ベルギー出身の写真家、ロブ・ワルバースさんの写真展が開かれている。
ピアノを演奏中のコールドプレイのシンガー、クリス・マーティンさん
2006年12月立花通り(通称、オレンジ通り)にオープンした同店。店頭に「hair and more」と掲げ、椅子4脚を並べるカウンターや、アート本から仏パリ関連の本まで取りそろえた本棚、アクセサリーや小物類の販売など、「髪を切るだけじゃない」(オーナーの福地正幸さん)店づくりを目指している。先月迎えた5周年を機に、福地さんは「髪を切ること以外の部分に、もっと力を入れていきたい」と意気込みを見せる。
その取り組みの一つとして昨年始めたのが、同店と関わりのあるアーティストを紹介する作品展。昨年8月には、詩人・アーティストの吉川かおりさんを取り上げ、初の作品展を開催した。今回はその第2弾アーティストとして、福地さんの「3年来の友人」であるワルバースさんに白羽の矢が立った。
ワルバースさんは1981(昭和56)年生まれ。ベルギーKarel de Grote-Hogeschool Antwerpの音楽映像学部写真学科を2004年に卒業後、アントワープを拠点にフリーランスの写真家として活動を開始。2010年1月、活動拠点を大阪へ移した。ポートレートを中心に、アーティスト、ミュージシャン、ライブ、ファッションなど、あらゆる被写体を撮り続ける傍ら、大阪在住のパンクミュージシャン「Vinny」の姿を追いかけた「Meet Vinny」や、タトゥーをした日本人を取り上げた「Body Inc.」など、個人プロジェクトにも取り組んでいる。
同展は、2004年から2010年にかけて、ワルバースさんが主にヨーロッパで撮影したライブやコンサートの写真を一堂に集めたもの。会場には、レディオヘッド、コールドプレイ、ローリング・ストーンズ、マドンナ、R.E.M.などの現役で活躍するミュージシャンから、2009年に解散したオアシス、昨年亡くなったエイミー・ワインハウスさんなど、ライブやコンサートではもうその姿を見ることのできないミュージシャンまでの写真を並べる。
ライブやコンサートでは、最初の3曲を演奏する間しか撮影が許可されていないなど、「たくさんの規定がある」という。その難しさを認めながらも、ワルバースさんは「与えられた時間の中でどれだけ自分のベストを出せるか、ということに全力を注いでいる」と話す。「余り編集は加えず、自分が感じたそのままを形にしたいと思っている。写真を通して、コンサート会場の空気感を感じてもらえれば」とも。
開催時間は、火曜~金曜=12時~22時、土曜=11時~20時、日曜=10時~19時。月曜・第3火曜定休(研修旅行のため2月14日~22日は休業)。展示は、4月~5月ごろまでを予定。