くいだおれ太郎が浄瑠璃人形に-「早目の還暦」祝いで

公開された「くいだおれ太郎」の浄瑠璃人形と、文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん、女将(おかみ)の柿木道子さん。

公開された「くいだおれ太郎」の浄瑠璃人形と、文楽人形遣いの桐竹勘十郎さん、女将(おかみ)の柿木道子さん。

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 7月8日に閉店する大阪・ミナミの老舗飲食店「くいだおれ」(大阪市中央区道頓堀1、TEL 06-6211-5300)が製作していた同店のシンボル「くいだおれ太郎」の浄瑠璃人形が完成し、6月7日、報道関係者に公開された。

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 同店は1949年に創業者・山田六郎氏が「戦後焼け野原となった道頓堀の復興のために、大阪をくいだおれの街にしたい」と創業、来年で60周年になる予定だったが、7月8日に閉店することを決定したため、「早目の還暦」を祝うことになったもの。

 3日前に完成したばかりという「太郎」の浄瑠璃人形は、身長およそ130センチ。右手に鈴、左手に扇を持って舞台に登場、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した文楽人形遣い・桐竹勘十郎さんによる「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」が披露された。

 桐竹さんは「舞台で使う人形に比べると、重さは5分の1ほどで軽いが、洋服を着ているし、靴を履いているので、いつもとは違う感じだった。子供の頃からくいだおれの前を通っていたので、太郎には親しみを感じる」と感想を語った。

 浄瑠璃人形の舞いを見た女将(おかみ)の柿木道子さんは「本当にかわいらしくて、コミカルな動きで、感激した。太郎の分身が舞いをしているように感じた」と感激した様子。「浄瑠璃人形は、くいだおれの閉店後は国立文楽劇場に寄贈するので、いつかまたどこかでご覧いただければ」とも。

 「くいだおれ太郎」はもともと、「新しい食堂に、動く看板を置きたい」と創業者が人形浄瑠璃をもとに考案し、文楽人形師の藤本由良亀氏が製作をしたもの。同店は「世界無形遺産となった日本の文楽と、『くいだおれ太郎』とのつながりを、永きにわたって記憶にとどめたい」と願い、浄瑠璃人形の製作を依頼していた。

 なお創業記念日である6月8日には「還暦祝いイベント」として、浄瑠璃人形を一般に公開、桐竹さんによる舞いが披露される。同イベントは15時から店頭で行われる(雨天の場合は、12時より整理券を限定30枚発行し、15時より大広間にて公開される予定)。

文楽人形遣い・桐竹勘十郎さんによる「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」(関連画像)「還暦祝いイベント」で店頭の「太郎」が着るハッピを持つ、女将(おかみ)の柿木道子さん(関連画像)くいだおれ太郎、「ドアラ」と初遭遇-「インディ・ジョーンズ」レッドカーペットで(なんば経済新聞)くいだおれ太郎、道頓堀からボートに乗船-ビーチバレー応援で(なんば経済新聞)大阪名物くいだおれ

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