ゼンリン(北九州市戸畑区)は9月3日、地図柄でデザインした文房具「mati mati(まちまち)」の「なんば版」を発売した。
「mati mati」は、これまで地図の機能面に力点を置いてきた同社が、地図柄の美しさに着目して企画。2015年4月に女性社員で編成した開発チームを立ち上げ、2016年1月に「丸の内」「福岡・天神」版など、同年7月に「梅田」「京都」版などを発売した。シリーズは全国15エリア・60種類に広がり、累計出荷部数は2018年4月に10万部を超えた。
ラインアップは、クリアファイルとマスキングテープ、ノート、付箋の4種類。販売数の4~5割を占めるというクリアファイル(410円)は、A4サイズ・3ポケットのつくりで、なんば版では道頓堀を含む大阪市中央区・浪速区周辺の地図データがデザインされている。
地図上には調査員が実地に集めた情報を基に、同エリアの「思わず写真に撮りたくなるような」面白い看板や巨大なオブジェをカメラのイラストで示した。
色彩は、大阪名物「たこ焼き」や道頓堀の「かに道楽」、「くいだおれ太郎」の衣装などのイメージから赤味を強調した鮮やかな配色とし、にぎやかさを表現している。
同社では、カーナビなどに使う地図データを家形枠や注記情報など約1000項目のレイヤー(階層)で管理しているといい、「3ポケットの『レイヤー構造』は地図愛好家など分かる人には分かる遊び心」と同社広報の小松みかさんは話す。
そのほか、東西に伸びる道頓堀川の地図柄をデザインした幅27ミリ、長さ5メートルのマスキングテープ(464円)や、B5幅の正方形ノート(410円)、5種類で一組のふせんセット(518円)も同時に発売した。
同社マップデザイン事業本部の鈴木貴子さんは「地域に愛される商品になって、日常の中で使っていただけたら。地元愛をくすぐる地図柄デザインをぜひ楽しんで」と呼び掛ける。
大阪府内の東急ハンズ、ロフト、紀伊國屋書店、書店や、オンラインショップで販売する。