映画興行発祥の地として知られる大阪をテーマにした講演会「映画のはじまり、みな大阪」が2月9日、大阪市立中央図書館(大阪市西区北堀江4、TEL 06-6539-3302)で行われる。
「新修大阪市史」(本文編・史料編)、「大阪市の歴史」などに書かれていることや、大阪市史編纂所の歴史情報を紹介するセミナー「探そう!大阪市の歴史魅力」の第13回企画として行う同セミナー。
当日は、エッセイストの武部好伸さんを講師に招き、大阪が従来言われてきた映画「興行」発祥の地としてだけでなく、映画「上映」も発祥の地だったことを説明する。「『大阪の歴史』86号 日本に初めて映画を持ち込んだ男 大阪の実業家、荒木和一」(2017年、大阪市史編纂所刊)、「大阪『映画』事始め」(2016年、彩流社刊)を中心に解説する。
1897(明治30)年1月、京都の実業家・稲畑勝太郎がフランスから持ち帰ったシネマトグラフと呼ばれる映写機を使い、京都電灯の中庭(現在は関西電力変電所と旧・立誠小学校にまたがる場所)で試写を行ったのが、日本初の映画上映という。稲畑は同年2月15日、難波の南街会館(現在のTOHOシネマズなんば)で有料上映会を開催。これが映画興行の発祥とされ、1階エレベーター乗り場の壁面には記念の碑文が掲げられている。
武部さんは、心斎橋の西洋雑貨商・荒木和一が1896(明治29)年12月に米国で購入したという映写機「ヴァイタスコープ」を当時の福岡鉄工所(現在のなんばパークス)内、現在の難波中交差点辺りで試写を行ったとし、それが日本における最初の映画上映だと位置付けている。
開催時間は14時~16時(開場13時30分)。定員は300人(当日先着順)。入場無料。