2025年に開催される「大阪・関西万博」に向け、有識者から学ぶクリエーターのための勉強会「expo study meeting vol.02」が4月12日、大阪ミナミ・アメリカ村の商業施設「心斎橋BIGSTEP」(大阪市中央区西心斎橋1)で開催され、約100人のクリエーターらが参加した。
今年1月に初開催し今回で2回目。万博誘致活動中の昨年10月にフリーペーパー「はじめて万博」を制作し、話題となったバイスリー(西区)と人間(同)が企画した。今回は「クリエーターが考える2025未来社会のデザイン」をテーマに、地域再生やコミュニティーデザインに精通したgraf代表の服部滋樹さんとstudio-L代表の山崎亮さんをゲストに迎えた。
第1部では「成熟社会に万博を迎えて」と題して、服部さんと山崎さんが対談形式で登壇。山崎さんはデザイン美術史から万博の位置付けをひもとき、技術革新をテーマとした前回の大阪万博から、次は福祉や介護の点に着目していくべきだと話す。「デザインはデコレーションすることではない。社会的にどう機能すべきかという仕組みを作っていくこと」と訴え、「世界は高齢化が進む日本に注目している。実は『長寿社会』は日本が打って出ることができる領域。高齢者が安心して生活できるまちづくりこそ、2025年大阪万博のテーマに基づくものになるのでは」と話した。山崎さんは「実は前回の大阪万博で提唱していた未来社会はファンタジーでしかない。現在、病院はベッド数が足りていないため、街ごと病院としてとらえていく必要がある。コンビニもナースステーションとなる時代も来るのでは」と提唱した。
第2部ではバイスリー代表の吉田貴紀さんと人間代表の山根シボルさんも加え、参加者からその場で質問をサイトを通して募りながら開催。「パビリオンはいるのか」「いい万博とは」などの質問が飛び交った。服部さんは行政による有識者会議の様子も明かし、「行政も市民の意見を積極的に取り入れようと変わりつつある。若い人がこうして学び合って、どんどん提案していってほしい」と呼び掛け、山崎さんは「このイベントが、それぞれが自発的にアクションを起こすきっかけになるのでは。大阪の未来に興味がある人たちが万博をきっかけに、街を面白くしていってほしい」と能動的な参加を呼び掛けた。
同イベントは今後も開催予定。