大阪・アメリカ村の雑居ビルに入居する夜間診療クリニック「OWL(アウル)クリニック」(大阪市中央区西心斎橋1、TEL 06-6282-7987)の片上徹也院長が8月8日、開設してから今日までの5年を振り返った本「夜しか開かない精神科診療所」(河出書房新社)を出版した。
「日中働く人と、残りの人生が長い若い人の心のケアをしたい」という理由で2014(平成26)年、アメリカ村に夜間診療所を開いた。現在は東加古川病院や企業で産業医として勤務する傍ら、夜は同クリニックを開ける。
精神科を中心に内科、アンチエイジング科の診療を行い、患者は20代後半が多い。会社員、アパレル店員、飲食店員、風俗関係者など職業は幅広く、1日約14人が来院するという。院長と佐々木將人臨床心理士の2人で患者の病気回復を支援する。
本には開設に至るまでの経緯や同クリニックの説明のほか、患者から了承を得て事例を紹介している。片上院長は「(自分も)くも膜下出血による手術の後遺症で左半身が麻痺している。障がいを持っているからこそ自分にしかできない診療があるはず」と話す。