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ゲームの仮想空間内に旧大丸心斎橋店本館を再現 N高生徒がPJ

プロジェクト学生代表山本達也さん(右)と副代表村上航太さん(左)

プロジェクト学生代表山本達也さん(右)と副代表村上航太さん(左)

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 地域資源研究プロジェクトを行う東京大学大学院情報学環助教の田口純子さんらが、オンラインのものづくりゲーム「マインクラフト」に興味を持つN高等学校の生徒に呼び掛け、同ゲームの仮想空間内に建て替え前の大丸心斎橋店本館(大阪市中央区心斎橋筋1)を再現するプロジェクトを行った。

再現した外観 正面

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 大丸心斎橋店本館は、同校心斎橋キャンパス(同心斎橋筋2)の近くにあり、1933(昭和8)年にウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で建築された。街のシンボル的な存在であったが、2016(平成28)年2月に耐震性の問題で建て替えを余儀なくされた。現実には存在しないが、バーチャルの世界で再現することで、地域の記憶を未来に継承するのがプロジェクトの目的。

 「マインクラフト」は仮想空間に立方体のブロックを積み上げ、建築物を作ることができるゲームで、全世界で1億5000万本以上販売されている。生徒たちは2018(平成30)年1月から3月に進めた活動を大丸心斎橋店に発表し、プロジェクトに対し資料提供などの協力を得た。その後2018(平成30)年4月~2019年9月、放課後や長期休暇に活動を続け、9月13日に完成発表会を行った。約70~80人の同校心斎橋・代々木キャンパスの生徒が活動に携わったという。

 設計図版・建築班・動画班の3グループに分け、制作を進めた。設計図班は、実際の設計図や写真からマインクラフト用の設計図を作成し、建築班は設計図を基にブロックを積み上げ、写真と見比べて使用するブロックの素材やスケール感を調整し、再現度を高めた。動画班は、活動の様子やマインクラフト内の様子も撮影し、活動記録の動画を作成した。グループ内だけではなく、他のグループとのコミュニケーションを密に情報共有に努め、メンバーのモチベーションを保つのに苦労したという。

 プロジェクト学生代表の山本達也さんは「新入生にマインクラフトの使い方を教えるうちに、自分は人に教えることが好きだということが分かった。将来、N高等学校の教員を目指すという夢ができた」と言い、副代表の村上航太さんは「昨年の8月、学校に企画書を提出し、生徒にゲームプログラミングの授業を行うなど、積極的に人前に立てるようになった」とプロジェクトを振り返った。

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