大阪観光局(大阪市中央区南船場4)の溝畑宏理事長は、3月27日に開催した定例記者会見で、2019年に来阪したインバウンドの消費動向と新型コロナウイルスの影響について発表した。
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会見では、世界最大級のオンライン旅行会社Trip.comグループ(中国・上海)が、同観光局にマスクを寄贈する贈呈式を行う予定だったが、25日に小池百合子東京都知事が発表した自粛要請を受け、贈呈者が在宅勤務指示となったため、急きょ中止された。
同観光局が調査した2019年に来阪した外国人観光客数は約1200万人(推計)(前年比+5%)、1人当たりの消費単価は12万7,292円(同+17%)で、消費総額は1兆5,275億円(同+24%)となり、全国平均の消費単価15万8,458円(同+3.5%)、消費総額4兆8,113円(同+6.5%)と比較し、金額は低いが、増加率が高い傾向にある。2014(平成26)年の調査開始以来、来阪する旅行者の数、消費単価・総額共に増加が続いている。
新型コロナウイルス感染拡大により、関西国際空港を発着する航空機が減便され、来阪する外国人観光客も激減し、関西の百貨店の2月の免税売上は前年比70%減となった。同観光局が行った「2月、3月期間の新型コロナウイルスに関する影響調査」によると宿泊施設、ショッピング施設の約90%、集客施設の約75%が、利用客減少やキャンセルにより、「経営に深刻な影響がある」と回答している。
溝畑理事長は「観光業に携わる企業は中小、零細企業が多く、資金繰りが困難な会社が多い。今は耐えしのぐ時期で、ゴールデンウイークを目安に、国内からの観光客誘致に力を入れ、その後、中国、韓国など東アジアからインバウンド客を誘致したい」と話す。
同観光局と大阪商工会議所は共同で、飲食店に向けた新型コロナウイルス感染防止に関するガイドラインの作成や、「がんばろう日本!We are OSAKA」をキャッチフレーズに、プロスポーツや政府などと連携し、感染症収束に向け、機運を高めるキャンペーンを計画している。