緊急事態宣言を受けて休業を決めた大阪・ミナミの飲食店が、この危機を乗り越えようと続々と「負けへんで」ポスターを掲示している。
政府が緊急事態宣言を発表したことを受け、お好み焼き店を運営する「千房」(大阪市浪速区湊町2)は「負けへんで 絶対ひっくり返したるっ」と書いたポスターを制作。「大阪は食と笑いの街。お好み焼きをひっくり返すようにこの状況をひっくり返し、前向きに立ち向かっていきたい」と中井貫二社長。道頓堀商店会 (中央区道頓堀1)や、若手経営者らで構成するミナミ会(難波千日前)の間で「負けへんで」という合言葉とともに広まり、ほかの飲食店も大阪らしいユニークなポスターを続々と作り始めた。
たこ焼き店「踊りだこ 道頓堀店」(道頓堀1)は「心踊る そんな明日が 待ってるで」と俳句調のポスターを制作。運営する光明興業(難波4)の段周精広報部長は「復活した街にいる人たちのワクワク感と、屋号にも使っている『踊り』をかけた。みんなで耐え抜けば、以前の活気あふれる街が戻るはず」と期待を込める。焼き肉店「道頓堀みつる」(道頓堀1)や肉バル「デル・ソーレ 道頓堀」(同)を運営する「柴田」(同)は「モォ~少しのガマン。必ず元気に復活します」と牛肉を扱う同社らしいポスターを制作。多くの飲食店が休業を決める中、消毒や換気を徹底して営業を続けるタイ料理店「クンテープ」(同)も「絶タイ負けへんで」とダジャレにかけたポスターを制作した。
この日から道頓堀商店会は「がんばれミナミ がんばれ大阪」と書かれたバナーを、戎橋から太左衛門橋までの4本の街路灯に展開。同会の北辻稔事務局長は「道頓堀をはじめミナミ、さらに大阪の皆さんが同じ気持ちで頑張ってほしいという願いを込めた。空元気と言われるとそれまでだが、少しでも気持ちが上に向けば」と話す。