顔認証機能や、AR技術を活用した実証実験「スマイルスタンプラリー」が12月7日、道頓堀エリアの17店舗で始まる。
JTBや道頓堀商店会、大阪観光局などで組織する「道頓堀ナイトカルチャー創造協議会」とパナソニックグループが協力して実施する。提供するサービスは「顔認証決済」「バーチャル商店街」「ARフォトウォーク」「投稿機能」の4つ。デジタルコンテンツを用意することで、旅行の「前」「最中」「後」と途切れることなく利用者と街をつなげ、地域の活性化につなげるのが狙い。いずれもアプリのダウンロードは必要なく、ブラウザで完結する。実証実験は同エリアの飲食・物販・劇場など17店舗で実施し、うち12店舗で顔認証決済システムを導入する。同協議会によると、国内の商店街で実施するのは初めてという。
サービスを使うには事前にメールアドレスや電話番号、クレジットカード情報に加え、顔画像と支払い時に使うパスワードの設定が必要。顔認証決済を導入する店舗では、店頭に置かれた専用パッドを使って顔を読み取り、利用者は登録時に決めたパスワードを入力すれば決済が完了する。たこ焼き店「くれおーる」、焼き肉店「道頓堀みつる」、謎解きカフェ「時解 escape cafe(エスケープ カフェ)」などで実施する。1日100件の利用を目標にする。
記者発表に登壇したパナソニックの越智昭彦本部長は「大阪・関西万博や、IR(統合型リゾート)など大型プロジェクトに向けて当社の技術を活用し、安心・安全な観光を楽しめるサービスを提供したい。今回の実証実験はその試金石になる」と話した。道頓堀ナイトカルチャー創造協議会の上山勝也会長は「新型コロナウイルスの感染拡大前はオーバーツーリズムが顕在化していた。しっかりと受け入れ態勢を整えるチャンスでもある」と現在の状況を前向きに捉え、「顔認証決済が実用化されればお釣りの受け渡しなどの手間が省ける。回転率の高いお店は重宝するのではないか」と予想する。
道頓堀商店街を写真で再現した「バーチャル商店街」は、「朝」「晩」の景色の変化機能に加え、「大正時代」モードも搭載する。関西大学協力のもと、CGで大正時代の芝居小屋が立ち並ぶ道頓堀を再現した。このほか、店の近くでブラウザを起動するとARを活用した写真が撮影できる「ARフォトウォーク」などを用意する。
今月27日まで。