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道頓堀で「自動圧縮」ごみ箱置く実験 内部センサーで量感知、通常の5倍収容

ごみを捨てる様子

ごみを捨てる様子

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 ごみ箱を置いて周辺エリアのごみの量や分散状況を調べる実証実験「道頓堀クリーンプロジェクト」が1月5日、道頓堀エリアで始まった。道頓堀の魅力向上に取り組む道頓堀ナイトカルチャー創造協議会が実施主体となり、地元商店街やJTB、NTTグループが協力する。

ごみを圧縮する様子

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 協議会によると、道頓堀商店街にはごみ箱を置いておらず、ポイ捨てによる景観の悪化や、公衆衛生への対応が課題になっているという。訪日客(インバウンド)が戻りつつあることや、2025年の大阪・関西万博では多くの観光客が同エリアを訪れることを見据え、「世界に誇れるクリーンな観光エリアの実現」を目指して実証実験を行う。

 実験では、観光拠点「ピボットベース」(大阪市中央区道頓堀1)前に2台のごみ箱(燃えるごみ用、ペットボトル・缶・ビン用)を設置。ごみ箱にはセンサーが付けられ、扉の開閉回数を記録するほか、ごみ箱がいっぱいになるとピボットベースのスタッフに通知が伝わり、スタッフがごみ袋を交換する。1月20日には周辺エリアのごみを収集し、道に捨てられるごみの量を昨年5月に測定したデータと比較し、検証を行う。

 燃える用ごみ箱は、ごみが一定量たまると圧縮する装置が自動で働く。協議会によると同じサイズのごみ箱と比べると5倍の量の約600リットルを収容できるという。ごみの量を通知したり、圧縮したりする際に必要な電力は、ごみ箱の上に設置されたソーラーパネルで賄う。ごみ捨てを「体験」と捉え、ごみを捨てると「ポイ捨て禁止 協力おおきに!道頓堀 楽しんでいってや~!」というオリジナル音声が流れるほか、ごみ箱に掲載したQRコードを読み取ると近隣店舗のクーポンを発行するなど周遊を促進する取り組みも行う。

 NTTグループの倉地亮介さんは「これまで実施されてきたごみ箱を置く実験では、ごみ捨てが集中する時間や袋交換のタイミングなど定量的な計測が難しかった。今回の実験で効率的な運用方法が見つかれば」と話す。道頓堀商店会事務局長の谷内光拾さんも「ごみであふれたごみ箱はさらにごみを呼び、不衛生になる。今回の実証実験がうまくいって、さらにきれいな街に近づけられたら」と期待を寄せる。

 2月5日まで。

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