企画展「FROM OSAKA ~百貨店美術部モノガタリ~」が現在、高島屋東別館(大阪市浪速区日本橋3)3階の高島屋史料館で開催されている。
百貨店の美術部門に焦点を当てた企画展。1907(明治40)年に三越呉服店が新美術部を、1911(同44)年に高島屋呉服店が美術部を、いずれも大阪で創設し、その後多くの百貨店が美術部を開設した。開催のきっかけについて、学芸員の高井多佳子さんは「両美術部が誕生した明治の終わりは、画壇といえば東京か京都が主流だった。その中で三越も当店も大阪から美術部をスタートさせたことが不思議だった。その謎に迫りたかった」と話す。
会期を2部に分け、「大阪」をテーマに約120点の資料や作品を展示する。1部では日本画家・島成園さんや洋画家・鍋井克之さんの作品が見どころ。鍋井さんの「熊野詣新絵巻」は120号12面から成る作品で幅約24メートルの大作。これを原画とし、天王寺駅に掲げられた幅約46メートルの壁画(現在は撤去)は有名だった。同展では12面のうち高島屋がスポンサーとなった4面「道成寺」「白浜温泉」「串本・橋杭岩」「湯川温泉」の原画を展示する。
高井さんは「百貨店美術画廊には立ち寄ったことがない人もたくさんいる。同展をきっかけに、最新のアートにも触れられる美術画廊に足を運ぶことで、百貨店美術部が110年以上続いている事実に思いをはせてもらえたら」と話す。
開催時間は10時~17時(最終入場は16時30分)。入場無料。1部は5月8日まで、2部は5月20日~7月3日。火曜・水曜休館。