ウクライナへの支援を事業として展開している「ネクストエージ」(大阪市西区新町3)がウクライナのがれきを使った現代アートを制作し販売する。完成した初作品のお披露目会が26日、同社で行われた。
ネクストエージは他社向けに、ホームページ制作やアプリ開発、メタバース関連の制作業務などの仕事をウクライナ現地へ発注できるようにするサービスを展開しウクライナを支援している同社。現代アートは、吉村大作社長とウクライナ人アーティストで日本避難民のユリヤ・ボンダレンコさんが制作。一部の作品は販売する。売り上げの一部は戦争孤児に寄付。5月から、東京や静岡で個展を開催し、大阪でも8月に開催する。
作品は、ユリヤさんの故郷・チェルニヒウで爆発や銃撃を受け破損した鍋や皿、花瓶などの生活用品を使い制作。作品名は「recovery(回復)」で、制作には日本の伝統的な技法「金継ぎ」に倣った手法「虹継ぎ」を用いた。虹継ぎは造語。金継ぎでは、欠けたり割れたりした器を漆で接着し金などの金属粉を装飾して仕上げるが、虹継ぎでは金属粉の代わりに最大7色の塗料を使って接着する。ユリヤさんは「明るい希望を持てるようにと思いを込めて制作した。作品をきっかけにウクライナで起こっていることに興味を持ってもらえれば」と期待を寄せる。
ガラスの器を買った不動産会社社長の田中富之さんは「少しでも支援につながればと購入した。会社の応接間に飾る予定」と話す。