「大阪メトロ」(大阪市西区)が12月18日、御堂筋線心斎橋駅―難波駅間で基地局シェアリングを活用した5Gサービスの提供を始めた。
大阪メトロの運営する地下鉄内のトンネルでは、通信対策としてケーブルを敷くLCX方式を採用し、4Gサービスを提供している。安定した無線通信が強みであるものの、通信速度が速い5Gサービスを導入するにはさらに多くのケーブルを必要とするため、設置場所や施工時間の確保が課題となっていた。
基地局シェアリングは、携帯通信事業者が個別に設置していた通信設備を、シェアリング装置(共用の設備やアンテナ)を使って一本化し、省スペース化、景観配慮、用地不足解消につなげる取り組み。大阪メトロの場合、トンネル内の既存のトラフ(ケーブルを通すための溝)に光ケーブルと電源ケーブルを通し、新たに設置したシェアリング装置とつなぐだけで済むという。同社によると、地下鉄トンネル内の5Gサービス提供は日本で初めて。
5Gサービス提供はNTTドコモから始め、他の通信事業者についても順次サービスを始めるという。大阪メトロでは「シェアリングデザイン」(東京都渋谷区)と協力し、開催予定の万博開催の2025年までに御堂筋線と中央線の主要駅・トンネル内での5Gサービス提供を目指す。