歌舞伎俳優、市川團十郎白猿さんが5月30日、道頓堀川に浮かぶ船上から成田屋の家の芸「にらみ」を披露した。
十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演「十月大歌舞伎」(10月10日~)の成功を願って行われたイベント。2022年11月から始まった襲名披露公演は、同公演で締めくくりとなる。開催時間が近づくころには、團十郎さんを一目見ようと、戎橋や道頓堀川の両岸には多くの人が集まった。
團十郎さんは「暑い中、お越しいただきありがとうございます」と集まった観客に感謝を伝え、「2代目白猿が約280年前に大阪で上演して大当たりしたと聞くので、雷神不動北山桜を選ばせてもらった」と演目を紹介した。「十月大歌舞伎」で長男・市川新之助さんと共に上演する「連獅子」について、「(東京での上演は)度々お話があったが、このとき(大阪公演)のためにお断りしてき」た」と明かす場面もあった。
最後は片膝を立て、團十郎家に代々伝わる「にらみ」を披露。両岸から「成田屋!」「十三代目!」と掛け声が飛び、周辺は大きな歓声と拍手に包まれた。