南海難波駅で9月27日、リニューアル工事完了に伴い、2階中央改札口改札内コンコースの供用が始まった。
昨年10月1日、1977(昭和52)年の開設以来初となるリニューアル工事を行った同駅。曲線を生かした白い柱をはじめ、コンコース内全体に柱や天井を伝うライン照明を取り入れ、明るく次世代的な駅空間に生まれ変わった。
設計コンセプトは、多様性を巻き込む・循環を意味する「LOOP LINE」と、大阪・なんばの活力を際立たせる白を意味する「WHITE LOOP」。柱は設計コンセプトを象徴する物として、「LOOP(円)」を重ね合わせたデザインにした。
駅構内案内サインシステムも全面的に見直し、視認性と可読性を向上させた新サインを先行的に設置。盤面上部のアクセントラインを路線別に色分けし、直感的に案内情報を識別してもらえるように工夫。番線を示す数字は、角を削ったオリジナルフォントを使い、階段部には数字を大きく掲示した。この新サインは、今後各駅へ展開予定。
このほか、コンコースの壁際に椅子や大型マップ、アート作品を設置することで、通行動線と滞留場所を整理し、改札口周辺の混雑緩和を図る。
鉄道事業本部えきまち計画推進部主任の土屋文佳さんは「長年親しまれてきたコンコースや案内サインの変更は『当たり前』だったものを見直す難しさがあったが、完成した姿を見た時は新しい南海の始まりを感じ、感慨深かった。各所につまったこだわりに注目してもらえたら」と話す。
8月1日からは難波駅新観光列車専用「0番線のりば」の改修工事を始め、2025年度末の完成を予定している。