新型インフルエンザの国内感染が大阪市内でも確認され、大阪・ミナミの鉄道や百貨店、ホテルなどでも対応に追われている。
阪神電鉄との相互直通運転で神戸市内に列車を乗り入れている近鉄は、17日から乗務員や駅係員延べ4,200人が一斉にマスクを着用して業務にあたっている。駅構内には国土交通省からの要請に基づき、マスク着用やせきエチケットなどの対策を掲示し、利用客に感染拡大防止の呼びかけを行っている。同社によると、5月末までに開催予定だったハイキングなどの7イベントについて中止することを決めており、6月以降についても「状況を見て決めていきたい」(広報担当者)という。
南海難波駅に近いスイスホテル南海大阪では18日より、共用エリアを中心に対策を始めた。宿泊客らが利用するエレベーターの行き先階ボタンを1時間ごとにアルコール消毒液で消毒するなど細心の注意を払う。ホテルや関連企業の従業員も、毎朝体温を測定して健康状態をチェック、外出先や共用エリアから戻った際には手の消毒を行っている。予約客からは「宿泊を延期したい」との問い合わせがあるが、影響は限定的だという。広報担当の藤川三智子さんは「最新情報を見ながら適切に対処したい」と話す。
心斎橋筋商店街に面したそごう心斎橋本店では18日より、食品売り場と子ども関連商品売り場でいち早く従業員がマスクを着用したのに続いて、19日からは従業員215人全員がマスクを着用して営業している。19日は、ミレニアム会員限定での営業だったが、来店客は例年通りの多さ。翌20日の通常営業では、同日に始まった「閉店セール」もあって「来店客数はほとんど落ち込んでいない」(広報担当の井上恵理子さん)という。
大阪市内では5月21日までに、新型インフルエンザの感染者が16人に達し、ライブやイベントなどの中止が相次いでいる。今後も市民生活への影響が続きそうだ。