介護における生産性向上ガイドライン作成など、2017年から介護分野の生産性向上のためのさまざまな国の施策づくりで中心的な役割を担い、ウェルビーイングに溢れた介護事業所を創出するために「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」の3つを一度に実現することができる生産性向上伴走支援サービス「Sociwell(ソシウェル)」を展開している株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鎌田大啓)は、「令和6年度 山梨県ケアプランデータ連携促進モデル事業」(社会福祉法人山梨県社会福祉協議会が山梨県より受託)に採択され、2種類の伴走支援を通じて、合計16事業所のケアプランデータ連携システムの導入・活用支援を実施しました。その結果、専門職としての業務時間の増加、情報共有を目的とした本システムの新たな活用事例の創出等、現場職員が効果を実感できる成果を生み出すことができましたので、ご報告いたします。
【令和6年度 山梨県 ケアプランデータ連携促進モデル事業 とは】
本モデル事業は、山梨県様および山梨県社会福祉協議会様と弊社が連携し、県内のモデル地域において「ケアプランデータ連携システム」の導入から運用までを一体的に支援する取り組みです。地域全体での円滑な導入を後押しするとともに、単なるシステム導入にとどまらず、ケアプランデータのやり取りを含めた業務フローや職員の役割分担を見直すことで業務効率化を図りました。こうして生まれた時間を活用し、居宅介護支援事業所や居宅サービス事業所が「ありたい姿」の実現に近づけるよう、伴走支援を行いました。
【ケアプランデータ連携システムとは】
ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所と居宅サービス事業所間でのケアプランの交付・受領(共有業務)をオンラインで完結させるシステムです。
介護には、利用者と直接関わる「直接業務」と、書類作成などの「間接業務」があります。直接業務とは、例えばケアマネジャーが利用者の自宅を訪問して行うヒアリングや、サービス事業所が利用者に食事・入浴・排泄などのケアを行う等があります。間接業務とは書類の作成・受け渡しなど、直接的に利用者と接しない業務です。
ケアプラン共有業務について、従来通りFAXや持参にて共有している場合は、共有のためのさらなる業務(手入力での転記やマスキングなど)が必要となり負担がかかりますが、本システムを導入することで、業務負担の軽減や円滑な情報共有が可能となり、専門職が利用者や家族と向き合う時間を増やすことが期待できます。しかし、「送信側」「受信側」双方の体制が整ってこそ効果を発揮する本システムの特性上、事業所単独で本システムを導入することには難しさもあります。
そこで、地域全体で本システムの導入・活用の取組を普及させることで、本システムのメリットを多くの事業所が実感し、地域としてケアの質の向上を図る目的で、弊社では山梨県富士河口湖町を中心としたモデル事業所に対し、個別の伴走支援、グループ研修を通して、本システムの導入から運用までをサポートしてきました。
【本事業の具体的内容】
個別支援事業所への伴走支援
対象:居宅介護支援事業所2事業所、居宅サービス事業所3事業所(富士河口湖町、富士吉田市)
- ケアプラン共有業務の棚卸しによる業務工程・所要時間の見える化ツールの提供・フィードバックの実施
- ケアプランデータ連携システムの導入を電話・チャットツール・zoomにて徹底サポート
- ケアプランデータ連携システムでの送受信操作を電話・チャットツール(Slack)・zoomにて徹底サポート
- その他、システム上のトラブルへの相談対応
グループ支援事業所への伴走支援
対象:居宅サービス事業所11事業所(富士吉田市、甲府市)
- ケアプランデータ連携システムの導入前・導入・送受信操作などフェーズに応じた研修(デモ体験会・意見交換会含む)の開催(全3回)
- 取り組みの中で発生する困りごとを解消するための電話・チャットツール・zoomを活用したサポート
【本事業での成果】
ケアプラン共有業務に係る業務負担の軽減
- オーク介護支援センター様がやり取りをした13事業所のうち、3事業所について時間を計測し、最大13工程237分の短縮が見られた。
一部業務を事務員に移行したことによる、専門職としての業務時間の増加
- 従来の専門職が行なっていた印刷・事業所ごとの振り分け作業が、ケアプランデータ連携システムに置き換わることで事務員が実施可能な業務に移行し、専門職に余力が生まれた。
本システムの新たな活用法としての、利便性の高い情報共有事例の創出
- PDFや写真の送受信機能を活用し、機能訓練計画書や利用状況報告書を送受信したことで安全かつ簡便に情報のやり取りができることから、情報発信・共有のハードルが下がり、事業所内にとどまらず、事業所外での利用者の生活全体を捉えた支援が可能になるとの声が上がった。
モデル事業所間で意見交換し工夫しながら取り組んだ経験
- 研修を通して、モデル事業所に一体感を醸成し、介護ソフトのトラブルに対して、事業所間でのやり取りを密にしたり、csvで送受信できない分をPDF送信するなど、工夫して乗り越えたことで、今後の継続的なやり取りにも活かせる関係づくりができた。
近隣事業所を巻き込む機運の醸成
- 成果報告会では、各事業所より、現状のメリット・課題の両面、地域で面的に導入事業所を増やすためにどういう工夫ができそうかなどについてワークショップを行った。本報告会後、未導入事業所からは「導入意欲が高まった」、モデル事業所からは「数ヶ月前自分たちが抱えていた同じ懸念を未導入事業所も抱えているとわかったので、サポートしていきたい」行政からは「支援を検討したい」との前向きな声が上がった。
【モデル事業所の職員の声】
業務負担が軽減した実感!そして仲間が増えることへの期待
(居宅介護支援事業所)
- 計測してみると、業務時間が大幅に減っていることが浮き彫りになった。
- 導入事業所が増え、やり取りができる事業所が増えれば増えるほど、効果を発揮する、スケールメリットが大きい取り組みなので、多くの事業所が参加すればさらなる業務改善が図れると思った。
- 取引事業所の半数が導入すれば、一段と効果を実感できると思う
- 1事業所ではなく、相手あってのシステムなので、これからも仲間が増えていくことを期待している。
(居宅介護支援事業所、居宅サービス事業所)
- 今後も導入事業所間で意見交換をするなど、工夫を共有していければと思う。専門性を発揮できる時間を増やす!
(ケアマネジャー)
- 間接業務について持参や印刷の手間が省けたことから、ケアマネジャーの省力化につながり、専門職としての時間が取れるようになった。
(事務員)
- 請求業務に携わる人にとっても、予定もしくは実績入力の手間が省けるので魅力的だと思う。
- また、ケアプラン共有業務が簡便になることでケアマネジャーに専門職としての時間が生まれると、事務としても役割を果たせていると思う。
情報共有ツールとしての可能性を実感!
(居宅介護支援事業所)
- 鮮明なデータを安全に共有できることから、情報共有の手間が減り気軽に共有しようと思えた。
- 今後利用者の皮膚状態などの写真や薬剤情報なども共有できればとアイディアが膨らんだ
- 本システムを活用して利用者に関する情報が密にやり取りでき、一層利用者に寄り添ったケアマネジメントができそうだと思った
- 事業所での生活と自宅での暮らしの連続性を重視しておりその実現にはケアマネジャーとの密な連携が不可欠なので、利用者の様子を積極的にケアマネジャーに発信し、情報共有を図ることが、よりよい支援の基盤となると考えている。
(通所介護)
- サービス担当者会議等の対面で情報を受け渡しできればいいが、そうした対面での連絡が難しい場面も少なくない。そこで、本システムを活用して情報共有を行なってみたところ、全く支障なくスムーズに行えたことから、情報発信・共有のハードルは着実に下がってきていると思った(居宅サービス事業所
【山梨県様からのコメント】
本事業では、各モデル事業所が不安を抱えつつ、ケアプランデータ連携システムの導入・活用に一から取り組み、業務工程の見直しや初めて使うシステムへの対応など、様々な壁に阻まれながらも、支援を受け一つ一つその壁を乗り越えることで、作業工程や時間の短縮といった作業効率の向上を達成されました。
何よりも地域の先駆者としてシステム活用に取り組み、今後も継続してケアプランデータ連携システムを使い続けるという思いを持ったモデル事業所が誕生したことが、本事業の大きな成果です。
今回の取組成果を事例集の形で集約し、県全体に広げることによって、本システムの活用により得られるであろうスケールメリットを十分に享受し、山梨県の介護現場の生産性向上がなお一層進むよう今後も取組を進めていきます。
【山梨県社会福祉協議会様からのコメント】
本事業は、年度半ばに県から受託、本システムを県内で導入している事業者も少ない状況で、果たして3月までに成果が出るのか、不安の中でのスタートでした。
それでもシステムに対応しているベンダーを使用している事業所であれば、さほど困難なく使用できるのかと思っていた当初の見込みははかなく崩れ、自事業所・相手方の事業所のベンダーに問い合わせなければならないことも多くあり、そのことにかなりの時間を要することになりました。TRAPEの支援がなければ、挫折する事業所もあったかと思います。支援の中では、システム使用前、使用後の業務改善状況も、詳細に時間として可視化していただき、わかりやすい成果報告となりました。
本システムは、いかに多くの事業所に参加していただけるかが一番のポイントです。今回の成果を、「介護生産性向上総合相談窓口」として、県内の事業所に周知し、参加を促し、生産性向上や業務改善の取り組みにつなげていきたいと考えています。
【都道府県・市町村の担当者の皆様へ】
<株式会社TRAPE(トラピ)の生産性向上における取組み概要>
株式会社TRAPEは、2017年の介護業界において生産性向上という言葉が用いられた黎明期から、以下の活動を行ってきました。
- 厚生労働省の事業所向け「生産性向上ガイドライン」と自治体向け「生産性向上ガイドライン」の作成に深く関わり、厚生労働省主催の全国セミナーを4年連続で開催してきました。
- 2019年に日本で初めての地域版介護現場革新会議において熊本県と連携し、事務局運営、プロジェクト全体のグランドデザイン、実際の施設に対する伴走支援の実施など、オールインワンで成果を生み出してきました。
- 研修会やワークショップ、実際の伴走支援などを通じて3,000を超える介護事業所の経営者やミドルリーダーの思いに耳を傾け、対話を重ねてきました。
- 多くの施設サービスから在宅サービスまで、介護事業所の伴走支援を実施し、その取り組みの結果として、生産性向上、働きがいの向上、自律的な人材育成の3つを常に同時に生み出してきました。
- 2020年~2024年にわたり厚労省が主催する介護事業所に向けた生産性向上全国セミナーで講演を担当しております。
- 2022年には、全国17ヶ所あるロボット相談窓口(厚労省 プラットフォーム事業)のうち1/3の6窓口の業務アドバイザーとして、2023年には全国16ヶ所あるロボット相談窓口のうち1/3の6窓口の業務アドバイザーとして数多くの介護事業所におけるICT・ロボット導入・活用の伴走支援を実施しました。2024年度は全国11箇所のロボット相談窓口のうち7箇所のロボット相談窓口の業務アドバイザーを行っています。(来年度以降ワンストップ窓口へ移行するための土台づくり)
- 2023年から、あおもり介護現場向上総合相談センター(青森県生産性向上総合相談窓口=ワンストップ窓口)や介護職場サポートセンターひろしま(広島県生産性向上総合相談窓口=ワンストップ窓口)と業務アドバイザー契約を締結し、全国に先駆けた取り組みをデザイン、ご支援しております。その他にも複数自治体様のご支援をしております。
- ケアプランデータ連携システムへの取組みも行なっています。都道府県や市町村が実施する「ケアプランデータ連携システムの地域におけるモデル事業づくり」のご支援を行っています
■地方公共団体による『ケアプランデータ連携システム』活用セミナー
【2023年12月6日(水)開催】
(モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)
https://youtu.be/HSjxEQKTxyI?si=0LNQJ5sb99oigAkT
■全国自治体向け『地域が取り組むケアプランデータ連携のいま』オンラインウェビナー
【2024年12月4日(水)開催】
第2部:TRAPE の鎌田氏と聞く!新たな普及施策と事業者の声
https://youtu.be/bMWKwkF5SFY?si=zm4w7UIw-5cLKc4R
■ケアプランデータ連携システム フリーパスキャンペーンオンライン説明会
【2025年3月14日(金)開催】
利用者の立場から考えるケアプランデータ連携システムへの期待
https://youtu.be/D-oOSOJcePM
【株式会社TRAPE(トラピ)について】
代表:鎌田大啓
本社:大阪市淀川区西中島5-11-9 新大阪中里ビル3F
URL:https://trape.jp/
設立:2015年9月
事業内容:
・「生産性向上くん」
介護事業所の生産性向上において一番重要な「準備8割」を実現するためのチームを作り、現場の課
題を「見える化」し、分析・解釈まで行える委員会機能を備えた、完全無料の業務改善サポートオン
ラインツール
・「Sociwell ソシウェル」
「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」の3つを一度に実現することができる
生産性向上 伴走支援サービス
・「介護経営者クラブ」
組織の枠を超えて経営者が対話し合い知見をシェアできる会員制コミュニティ
・「厚生労働省・自治体関連事業」
高齢者支援セクションが安心して頼れる一気通関の事業パートナー
【お問合せ・ご質問・取材のお申込みはこちら】
株式会社TRAPE 広報担当 宛
E-mail:info@trape.jp
https://trape.jp/contac