-小林さんはもともと東京のロフトにいらっしゃった。
生まれは関西だが東京に15年間住み、10年前からロフトで働き出し、「阿佐ヶ谷ロフトA」で支配人、「新宿ネイキッドロフト」で副店長、「新宿ロフトプラスワン」でマネージャーになり、1年前に大阪の「ロフトプラスワン ウエスト」にやってきた。
-この1年を振り返ってみていかがですか?
この1年間はとにかくバタバタだった。イベントも店も、何もかもを新規に作っていく。あっという間に過ぎた。最初の頃は東京から出演者を呼んで行うイベントが多く、関西独自のイベントを作るのが難しかった。
-東京と較べて大阪のイベントはどう違う?
イベントそのものに大きな違いは無いが、大阪のお客様は、前売りチケットを買わずに当日券で来る方が多いイメージ。チケットが売れていないので「困ったなあ」と思っていたら、当日30人ぐらい来られていたりすることも。
また出演者に向かってヤジがとんだりするのも大阪の特徴。お客様が出演者にしゃべりかけることがあったりして、出演者も面白がってくれる。
-大阪と東京でウケるものが違うこともある?
それはある。東京で今動員が少ないものを大阪でやると、倍入ったりすることもある。例えば「廃墟」「廃盤ビデオ」「宗教もの」「オカルトもの」。東京にはそういうイベントがいっぱいあるが、関西ではあまりそういうイベントをやっているところがないからだと思う。
1つ例をあげると、このあいだやった「宗教映像ナイト」は、東京では20人ぐらいしか来なかったが、大阪では80人も来た。話す人もやっている内容も同じなのにも関わらず。「廃墟・工場・珍スポット祭り」も人気があった。逆に大阪では政治系はあまりお客様が入らなかったりする。
-人気のある出演者は?
全国区で有名な出演者が来た際には満員になることもある。例えば、大槻ケンヂさん、ネットのニコ動で活躍している「ふぁんぽん」、占い師の「ゲッターズ飯田」さんなど。大阪の出演者ではお笑い芸人の人気が高い。メッセンジャーのあいはらさん、笑い飯の哲夫さんは、100人ぐらいのお客様が入る。レギュラーで3カ月に1回やってもらったりしている。
-イベントのテーマは誰が考えている?
東京から来た社員は自分を含めて3人いて、この3人でテーマを考えて、スケジュールをブッキングしている。
テーマの決め方は様々だが、出演者からの企画の持ち込みはあまりなく、こちらからテーマを考えて出演をお願いするパターンが8割ぐらい。もともとあるパッケージングをやってくださいというパターンもある。まず1人だけブッキングして、あとはその人に合った出演者を用意して、こちらで構成を全部考えて、というパターンも多い。
-テーマはどうやって考える?
毎日ずっと何か考えている。風呂に入っている時に思い付くこともある。ネットでヤフーニュースを見たり、テレビでもニュースを見たりと、エロ、お笑い、政治、グロも含め、いろいろな分野にアンテナを張っている。そういった中から、「LINE府議」で有名になった山本景さんのイベントをしたこともあった。
-イベントを実施する上で、大阪が難しい点は?
東京だと知り合いも多く、長いことイベントをやってきているので、「このテーマでやりたい」となると、出版社とか映画の配給会社とか、全てのものが東京にあるので、イベントができる。一方で、大阪でやろうと思ってもできなかったイベントも結構ある。大阪のほうが大変。
-やりたかったけれどもできなかったイベント、今度やりたいイベント
小保方さん、野々村議員など、関西の「渦中の人」を呼べなかったのが悔しい。どこにいるかわからなかった。旬のいい時期にやりたかった。今だと、やしきたかじんさんの本「殉愛」のイベントを何かしらやりたいと考えている。
-トークライブハウスを運営・維持していくコツ
毎日やり続けること。どんなに動員が無い時でも、常に店を開け続けること。いつ行っても何かしらイベントをしていたり、誰かがいる、というのが秘訣。
-「ロフトプラスワン ウエスト」の楽しみ方を教えてください。
毎日いろいろな人がいて、普段の生活では出会わなかったことに出会える場所。廃墟やエロなど、なんとなく知っているつもりでも、話を聞くと、「ああ、そういうことになってるんだ」と知ることができる。
座席の中では、ステージ横の「お座敷席」がいちばんくつろげるのでオススメ。また多くのイベントでは「質問コーナー」があるので、出演者に質問していただければ。イベントが終わってからも出演者がふらっと飲みに来ることもあるので、交流もしていただける。
お客様の7割ぐらいは1人で来ているが、同じ趣味の人が集まっているので、隣通し仲良くなったりもできる。ネットだけではつながれない、話してつながるコミュニティというのがあると思う。