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南船場で英アーティスト初個展-坂本龍馬からエリザベス女王まで

坂本龍馬をモチーフにした作品「Remember me」の前に立つデヴィッド・ベイトマンさん

坂本龍馬をモチーフにした作品「Remember me」の前に立つデヴィッド・ベイトマンさん

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 日本在住のイギリス人アーティスト、デヴィッド・ベイトマンさんの日本初個展「The Art of Procrastination」が現在、南船場のギャラリー「浜崎健立現代美術館」(大阪市中央区南船場4、TEL 06-6241-6048)で行われている。

母国イギリスを象徴する存在としてエリザベス女王を描いた作品も

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 1981(昭和56)年イギリス生まれのベイトマンさんは、2004年に美術学校Norwich School of Art and Designを卒業後、ロンドンを拠点にフリーランスのアーティストとして活動を開始した。2007年からは日本に拠点を移し、スプレーを使って描くグラフィティやシルクスクリーンの技術を応用したステンシルやコラージュを制作している。

 今回、日本で初の個展を開催することについて、「かつては(いつ消されるか分からない)ロンドンの街路が作品発表の場所だった。今はギャラリーで色んな人に見てもらえるのが嬉しい」と話す。制作を実験の場と捉え、常に新しいスタイルを追求しているベイトマンさんは、同展に向けて準備を進めてきた半年の間にも「進化を続けてきた」という。

 同展では、ステンシルやコラージュを中心に計18点を展示。「自分のルーツと作品を関連させたかった」というベイトマンさんの言葉通り、会場の1階には坂本龍馬や野口英世、エリザベス女王など日本とイギリスを象徴する人物を描いたカラフルで精巧なステンシル作品が並ぶ。「通常ステンシルといえば、ベタッと文字や数字を描いた平らなイメージが強い。でも自分の作品は、スプレーを傾けて色に変化をつけたり少しずつ重ねながら、奥行きのある『マルチレイヤー(多層構造)』な作品を目指している」と話す。

 2階には、「Paris syndrome(パリ症候群)」や戦争、暴動など社会問題を扱ったコラージュ作品が並ぶ。「コラージュでは、ステンシルやドローイングではできなことを表現したい。メッセージ性が強い作品が多いのはそうした思いから。政治や音楽、ニュース、人の体などをテーマに、昔の雑誌や本から集めた素材を使って新しいイメージを構築していく。この作業そのものが心地良い」とベイトマンさん。「ポップなステンシル作品と、荒々しくレトロなコラージュ作品との対比を楽しんでもらえたら」とも。

 営業時間は12時~20時。第1~第3水曜定休。入場無料。今月28日まで。

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