「水の都・大阪」の復権を目指して52日間にわたり行われたイベント「水都大阪2009」の最終日となった10月12日、大阪・ミナミの道頓堀川では、ミナミが大好きというカップルの「水上結婚式」が行われた。
結婚式を行ったのは、「ミナミで出会った」という田中由勝さん、高谷美磯さんカップル。田中さんは以前、戎橋近くにある街頭ビジョン「トンボリ・リバーサイドビジョン」を運営する会社に勤めており、「なじみのある戎橋で結婚式を挙げたい」と考えていた。そこで今年5月ごろ、戎橋筋商店街事務局に相談のメールを送ったところ、関係者の目に留まり、「水都大阪2009」の船着場プログラム(地域協同企画)として行われる「大阪ミナミ水都祭り」のフィナーレとして「水上結婚式」を行うことになった。
すっきりと晴れ渡った夕刻、ピアノの生演奏とともに、新郎新婦を乗せた船が「ラッキードラゴン」を従えて戎橋の東側に登場すると、道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」に集合した新郎新婦の親族や友人だけでなく、居合わせた観光客らからも拍手が起こった。
「水都大阪2009」のシンボルでもある「ラッキードラゴン」が水を吐き新郎新婦を祝福した後、新郎新婦を乗せた船が道頓堀川の中央に移動し、人前式で挙式が執り行われた。誓いの言葉、指輪交換の後、「トンボリ・リバーサイドビジョン」に表示されるカウントダウンに合わせて、参列者らに配られた500個のバルーンが空に解き放たれた。その後、40人で構成する「吹奏楽船」が祝福の演奏をするなか、新郎新婦は船を降り、戎橋を歩いて渡り、多くの人から拍手が送られた。
田中さんから相談メールを受け取った、戎橋筋商店街事務局の山本英夫さんは「道頓堀川での結婚式は初めてのことで、10回ほどの打ち合わせを重ねた。『人生』と『川・水辺』を結びつけたいと思っていたが、今回、結婚式という素晴らしいかたちで実現できた」と話す。