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大阪・新町のデザイン・ホステルで初の絵画展-客室にも作品展示

奈良在住の画家・黒瀬正剛さん。ロビーや廊下など館内の至る場所に黒瀬さんの作品100点超を展示する

奈良在住の画家・黒瀬正剛さん。ロビーや廊下など館内の至る場所に黒瀬さんの作品100点超を展示する

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 大阪・新町のデザイン・ホステル「HOSTEL 64 Osaka(ホステルロクヨン大阪)」(大阪市西区新町3、TEL 06-6556-6586)で現在、関西を拠点に活躍する画家・黒瀬正剛さんの絵画展「Kula」が開催されている。

黒瀬さんたっての希望で、各個室にも作品を展示

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 今年3月に開業1周年を記念して写真展「Oh SAKA!」を開催した同ホステルが手掛ける初の絵画展。「展示が始まる数日前まで制作していた」(黒瀬さん)という最新作を含めた100点以上の作品が並ぶ。今回は黒瀬さんたっての希望で、ロビーやバーラウンジ、廊下などの共用空間に加え、ドミトリーや各個室(和室6室、洋室3室)にも作品を展示する。

 1978(昭和53)年大阪生まれの黒瀬さんは、成安造形短期大学造形芸術学部イラストレーション学科卒業。日常の中で出会う「人や風景、生物、事象」をさまざまな素材を用いて表現している。黒瀬さんにとって、「やり場のない気持ちを吐き出せる場所」という制作過程を経て生み出される作品は、時に人や動物のようで、建物や文字のようでもあり、見る人によって解釈が異なるもの。「鑑賞者の目を通して新たな解釈が加えられたとき、初めて絵はその人にとって価値を持つ」と黒瀬さん。

 同展のタイトル「Kula」は、パプア・ニューギニアの部族間で行われている「特殊な交易」を指す言葉。小さな島々からなる同国の物理的に離れた民族たちを結びつける役割も担ってきたという。黒瀬さんは「交換する品物そのものではなく、お互いに行き来して品物を交換することで生まれる『やりとり』を重視する」Kulaが、「(見に行って初めて価値が生まれる)絵と鑑賞者との関係」に似ていることからタイトルに選んだという。

 ホステルという初の宿泊施設を使った展示は、ギャラリーと比べると「いくつか制限はあった」としながらも、あるものを使って準備を進めるうちに「新しい実験的なことができて、たくさん学びがあった」と黒瀬さんは振り返る。何より「絵を見に行く場所」のギャラリーとは異なり、くつろぎの空間で「作品を自由に感じてもらいやすい」点に魅力を感じているという。同展を企画したホステルスタッフの酒井直美さんは「期間中、宿泊者は24時間作品を見ることができる。各部屋に合わせた展示になっているので、ぜひ作品をじっくり眺めに泊まりに来ていただけたら」と期待を寄せる。

 鑑賞時間は15時~22時(金曜・土曜のみ24時まで)。各部屋の作品は宿泊者のみ鑑賞可能。8月8日まで。

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