南海電鉄は2月28日、「南海グループ経営ビジョン2027」と、その最初の3年間の中期経営計画「共創136計画」を発表した。
同社では2015~2017年度の中期経営計画「深展133計画」を進行中で、泉北関連事業の強化や関空・インバウンド事業の拡大などにより、最終年度の数値目標を達成する見通し。しかし同社では「人口減少の進展」や「ITの進化」など外部環境の変化に対して、「目先の課題への対応に終始するのではなく、長い時間軸で『ありたき姿』を定め、各種の施策にぶれることなく取り組むことが必要」とし、今回新たに今後10年間の同社グループのビジョンを策定した。
ビジョンでは、今後10年間の方向性を「2031年春のなにわ筋線開業に向け、沿線を磨く10年間」と規定。事業戦略として「選ばれる沿線づくり」「不動産事業の深化・拡大」を挙げた。中でも同社グループ最大の事業拠点である「なんば」と、「インバウンド」をビジネスチャンスと認識し、「グレーターなんば」の創造を目指すという。
具体的には、難波駅に隣接して今年秋に開業する「なんばスカイオ」を中心に、南海ターミナルビル近接ゾーンを充実させるため、なんばエリアでの新規物件の取得、既存保有物件のリノベーションなどに取り込むほか、なんば~新今宮・新世界の南北軸の形成を目指し、なんばEKIKANプロジェクトを核とした周辺エリアの開発などを行う。