歌舞伎や人間浄瑠璃の中心地だった道頓堀の歴史を学び、体験できる「道頓堀ミュージアム並木座」(大阪市中央区道頓堀1)が3月30日にオープンした。運営は「山根エンタープライズ」(大阪市西区)。
「道頓堀」という名称は江戸時代、私財を投じて川を開削した「安井道頓」に由来する。かつては道頓堀沿いに浪花座・中座・角座・朝日座・弁天座の5劇場があり、「道頓堀五座」と呼ばれ歌舞伎や人間浄瑠璃の公演で賑(にぎ)わっていた。ミュージアムの名称は、回り舞台やせりを考案した「並木正三」に由来する。
山根秀宣社長は2002年に道頓堀の歴史を伝えるサイトを開設し、2017年に同ミュージアムの物件を取得。重要無形文化財である旧金毘羅大芝居「金丸座」(香川県仲多渡郡)をイメージに設計を始め、昨年12月に完成。古い建物で複雑な構造だったためなかなか工事が進まなかったという。
広さは約33平方メートル。通路には歌舞伎や文楽の歴史を解説したパネルが並び、パンフレットに記載されているQRコードをスマートフォンなどで読み取ると、同ミュージアムオリジナルキャラクター「文七くん」が解説しながら案内してくれる。回り舞台の上には顔はめパネルが設置され、実際に回り舞台の上に立って回るのを体験、撮影することができる。料金は、大人=600円、子ども(小学生以下)=300円。
近年は「食い倒れの街 道頓堀」として訪日外国人を中心に観光客を集めているが、山根さんは「伝統芸能の素晴らしさ、面白さを再認識してもらえたらうれしい」と話す。
開館時間は10時30分~18時30分。