「劇団くれおーる」が7月に旗揚げ公演「月浴アンドロイド」を上演するのに先立ち、5月28日、道頓堀ZAZA(大阪市中央区道頓堀1)で記者発表会を行った。
大阪を中心にたこ焼き店・お好み焼き店などを展開する「くれおーる」(千日前1)が、舞台芸術家、芸能プロダクションと共に運営する劇団。団員12人の多くが舞台未経験または初心者で、高校を辞めて参加したメンバーや、東京から単身で来阪したメンバー、壊れかけた親子関係を修復すべく舞台に立つメンバーなど、第1期メンバーとして16~28歳の12人が所属する。団員らはくれおーる系列の飲食店でアルバイトスタッフとして働く一方で、週に2~3回のレッスンを無料で受けることができる。
記者発表で、くれおーるの加西幸裕社長は「飲食店は慢性的な人材不足で、団員に働いてもらうことで若い働き手の確保ができる」と説明。レッスンの時間帯を飲食店のアイドルタイムに設定するなどし、両立を支援する。劇団のマネジメントを手掛ける「ジャパントータルエンターテインメント」(福島区)の谷田和幸社長は「飲食店が劇団を支援するのは珍しい。関西の若手に夢を与えたい」と意気込む。
旗揚げ公演「月浴アンドロイド」は、思考する人間と労働するアンドロイドが共生する近未来の空中都市を舞台に、女子高生の「繭(まゆ)」がゲームの中に取り込まれる流行病「キョム・シンドローム」に罹患(りかん)することから展開する青春ラブストーリー。演出を担当した「鞦韆舘(しゅうせんかん)」の佐藤香聲さんは「SF、アニメ、コスプレの要素を採り入れたポップカルチャー主体の演劇」と話す。
7月23日・30日の16時30分~、19時30分~に上演する。チケットは、前売り=3,000円、当日=3,500円。6月1日からホームページや関西のくれおーる各店で販売する。