新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、大阪ミナミのホテルでは、さまざまな取り組みが行われている。
「ホテルロイヤルクラシック大阪」(大阪市中央区難波4)は、宿泊客に提供する客室について、前の客が宿泊してから3日間以上空けて提供する「中3日アケ客室運用」を行っている。同ホテルによると、「海外の研究機関では、プラスチックやステンレスの表面では、ウイルスが最大3日間は生存していたという報告があるため」。チェックアウト後の客室は清掃・消毒を行っているが、それでも不安を感じる客に配慮する。全150室の客室のうち、スタンダードルームツイン(81室)とダブル(24室)が対象で、5月17日までの対応を予定する。
「ホテルザフラッグ心斎橋」(東心斎橋1)は5月13日~6月12日、医療従事者に客室の無償提供を行う。寄付型クラウドファンディングの資金を活用し、病院勤務の医師、看護師、技師、ケアスタッフ、事務員、清掃員などや、病院勤務以外で高齢者や基礎疾患のある患者を診察している医師、看護師を対象に、7日~1カ月間、スタンダードダブルルームとスタンダードツインルーム、100室を提供する。
ホテルスタッフの客室内に立ち入っての清掃・リネン類の交換はなく、バスタオル、フェイスタオルは毎日使い捨て、シーツは3日に1回、宿泊者が自分で交換する。食事の提供はない。同ホテルの信田光晴社長は、「今回のホテル無償提供を、国や地方自治体のお金を使わず、民間の力を集結し実現することに大きな意義を感じている」とコメントしている。