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日本橋エリアの店舗数が3年ぶりに減少 インバウンド需要の消失響く

日本橋4丁目交差点

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 デシリットル・ファクトリー(大阪市中央区日本橋1)が3月15日、2020年の日本橋エリアの店舗出店動向の調査結果を発表した。

昨年リニューアルした「高島屋東別館」

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 大阪・日本橋エリアでフリーペーパー「pontab(ぽんタブ)」の発行と地域情報サイト「NIPPON-BASHI SHOP HEADLINE(日本橋ショップヘッドライン)」を運営する同社。同エリアの現況を定量的に把握するため、2005(平成17)年から店舗の出店・退店状況や業種別動向などを調査しており、2008(平成20)年以降、毎年「日本橋地域の店舗出店動向調査」として発表している。

 調査対象は北限を「なんさん通り」、南限を「阪神高速道路1号環状線(高架)」とし、その中に囲まれる「難波中2丁目」「日本橋3・4・5丁目」の4エリアに設定。新規出店は58店、退店が70店となり、3年ぶりに減少に転じた。新規出店数は例年並みの水準を維持したものの、新型コロナウイルスの感染拡大によるインバウンド需要の消失などから、既存店舗の閉店が大幅に上回る結果になった。業種別にみるとドラッグストアや免税店など物販店舗の減少が目立つ。堺筋沿いを中心に店舗を多数展開していた「上新電機」(浪速区)が店舗の大幅な統廃合に踏み切ったことも影響しているという。

 一方で漫画やCDなどを買い取り・販売する「まんだらけ」が再出店。地元企業による競合店舗も続いて出店するなど好材料もあった。テレワーク需要に乗る形で中古商品を主体にしたパソコン専門店なども出店したが、物販店舗全体の減少を補うまでには至らなかった。

 同社の楠瀬航社長は「業種を問わず、リスクの高い新規出店は控えられる傾向にある。リスクの低い、小規模な物件なら相応の新規出店需要があるのも事実で、そういう物件は短期間で次のテナントが決まることが多い。当分の間は『小商い』的要素の強い店舗の出店が続くのでは」と予想する。

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