大阪府・兵庫県・京都府・奈良県など関西地区で食材の宅配事業を行うトドクック（大阪市西区北堀江2）が展開する宅配サービス「理由（わけ）あり食材」が好調だ。

　同社は、ふぐ料理店「玄品ふぐ」を全国に展開する関門海（西区）のグループ会社。「生産者とつながる、そして自ら作る」をテーマに、同グループ内に農業生産法人を設立。北海道当別町で自社農園を開始したほか、全国の各漁港との直接取引による規格外鮮魚の確保や、地元でしか流通しない地魚の発掘、メーカーからの情報収集を行い、ワケあり食材の販売強化を進めてきた。

　取り扱うのは、大きく曲がった野菜や、表面に少しの傷が入った果物、サイズが小さいホタテなど見た目が悪くても品質には問題のない商品や、パッケージに傷が付いたり、パッケージの変更などで流通できなくなった商品、特別に仕入れることができた特殊仕入品など。賞味期限間近のため、スーパーなどでは流通されない商品の賞味期限を正確に表示して販売するものもあり、商品は通常のものと比べ5割～6割程度の価格で販売する。

　約1キログラム（約10個）＝98円で販売した、北海道喜茂別契約農家で収穫されたジャガイモ（無選別・サイズ混合）「金のじゃがいも　北あかり」は、通常野菜の販売が約100個のところ1,300個を売り上げる大ヒットに。大きくなりすぎ、形が「いびつ」で流通されなかった「キャベツ（1玉＝148円、通常価格＝240円）」は、限定300個を超えて完売となった。また、賞味期限間近の「牛カルビライスバーガー（4個入り＝298円）」は、1,500個の販売記録を達成した。

　同社の担当者は「この不況下を背景に、少しくらい傷が付いていても、おいしくて良いものを安く購入したいという需要は、特に一般主婦層にあり、急きょ紙面を増やして特集を組むほど好評となっている」と話す。また、ワケあり食材は牛乳や肉などの日用食材と一緒に販売・宅配しており、「気軽に購入していただけるので、時代のニーズにも合っているのでは」（同）とも。