南海電鉄と南海都市創造は7月23日、南海難波駅などが入る南海ビル1階の総合インフォメーションセンター前に、省エネルギー型の外気冷却システム「ドライミスト」を導入した。
ドライミストは、人がべたつきを感じない程度の微細な霧(ミスト)を人工的に作り出す冷房装置。打ち水に似た仕組みで、霧が蒸発する際に周囲の熱を奪う「気化熱」を利用する。クーラーに比べ、エネルギー消費量は20分の1、CO2排出量も8分の1に抑えられ、地球温暖化防止に貢献できるという。同社は、昨年度から実施している「堅進126計画」の基本方針の一つに「『環境保全』のための取組み強化」を掲げており、その一環でドライミストの導入を決めた。
23日には記念式典が行われ、くいだおれ太郎も駆け付け、「ミナミが快適になるのやさかいお手伝いしまっせ!」とコメント。テープカットとともにドライミストが噴射され、辺りは涼しい空気に包まれた。くいだおれ太郎は「快適でんなぁ~ ミナミに遊びに来てやぁ~」とミナミのPRも忘れなかった。
ドライミストは、今年1月に生まれた「室内吹き抜け空間」に面した総合インフォメーションセンター前に設置され、高さ3.5メートルの天井に、1メートル間隔で25個のノズルを設けた。一つのノズルで2~3メートルの範囲を2~3度程度気温を下げる効果がある。南海電鉄の亘信二社長は「吹き抜け大空間で快適に過ごしていただき、環境保全の意識も高めてもらえれば」と話す。
運転時間は9時~18時で、気温が27度以上、湿度が70%以下になると自動的に運転を開始する。9月末ごろまでの運転を予定しており、来年以降も夏季に運転することにしている。