ミナミ唯一の茶屋「たに川」(大阪市中央区島之内2、TEL 06-6211-2219)が12月9日、芸妓(げいこ)のお披露目を行った。
新しい芸妓は富鶴さんと福鶴さんの2人。富鶴さんは奈良県出身で、2015(平成27)年に花柳界に足を踏み入れたが2019年に一度引退。着物店で働く中で芸妓を辞めたことへの後悔の念が大きくなり、今年8月にたに川の門をたたいた。
福鶴さんも2017年(平成29)から2019年まで京都の花街で舞妓として活動していたが引退し、美容師になるため専門学校へ入学した。福鶴さんは「(西洋式の髪型で、芸妓がよく取り入れる)洋髪を授業の中で勉強したり、着付けの練習をしたりする中でもう一度チャレンジしたくなった」と話す。今年5月にたに川に入門し、修業を重ねた。
富鶴さんと福鶴さんを合わせて同店の芸妓は6人に。富鶴さんは「一度この世界を離れたからこそ分かったこともある。芸に磨きをかけていきたい」と意気込む。主人の谷川恵さんは「ホテルや料亭からの依頼も増えてきてありがたい。旅行会社が茶屋での体験を旅程に組み込もうと連絡をくれることも多く、茶屋文化を世界に発信できるようになってきている」と話す。