ミナミを中心に海外でも活躍するDJ・坂田大輔さんが今年、DJ活動25年を迎えた。
DJとの出合いは高校時代という坂田さん。「国籍の違う人たちが共通の音楽で踊っている。自分の中の常識が覆された瞬間だった」と当時を振り返る。クラブハウスに通い、独学でDJ技術を身に着けて1996(平成8)年からEnergy Dai名義でDJとして活動を開始。イギリス、オランダ、ロシアなど海外の有名イベントにも参加してきた。
音楽業界に身を置く傍ら高野山の「本覚院」に見習いとして勤務し、2019年には得度式を経て真言宗の僧侶となった。仏門に入るきっかけについて、坂田さんは「若くしてDJとして名が売れ、てんぐになっていた。周囲に迷惑をかけることもあったし、自分を見つめ直したかった」と打ち明ける。
DJの技術や指導力を買われ、2016(平成28)年にはDJスクール「IDPS大阪校」の主任講師に就任。同校はDJに興味のある人や経験者まで幅広く受け入れる個人レッスン教室で、5歳~68歳までのDJを育ててきた。同校も開校5年がたち、「卒業生が海外にも進出するなど活躍の場を広げていることがうれしい。自分たちの自信にもつながる」と坂田さんは喜ぶ。
今年は活動25周年を記念して全国でライブを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で上半期は軒並みキャンセルに。緊急事態宣言が明けた10月からようやく開催できるようになり、締めくくりのライブを大みそかにアメ村のクラブ「ジュール」(大阪市中央区西心斎橋2)で開催する。同クラブが開業した1999(平成11)年からオフィシャルDJとして活躍する坂田さんにとって思い入れは強い。坂田さんは「僧侶になることで『世の中をよくしたい』という思いが芽生えた。いきなり全部は無理だから、まずは大阪から。イベントに出演するDJも大阪出身で固めた」と話す。坂田さんによると、来年は仏教教室の開設や音楽を通した介護事業にも取り組むという。
ライブの開催時間は22時~翌5時。入場料は3,000円。