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阪神なんば線開業で神戸からのアクセスが改善
2009年はこう動く――広域なんば圏の各エリア最新動向

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■阪神なんば線の開業で三宮-難波が40分に

阪神なんば線 阪神なんば線(西九条-近鉄難波間、3.8キロメートル)が、いよいよ3月20日に開業する。「九条」「ドーム前」「桜川」の3駅が新設されるほか、開業と同時に行う近鉄との相互直通運転により、阪神三宮-近鉄奈良間が乗り換えなしで行き来できるようになる。

 同線は、現在の阪神西大阪線(尼崎-西九条間、6.3キロメートル)を東に延伸し、近鉄難波駅で近鉄に接続する形で建設が進められている。昨年10月16日に「レール締結式」が行われたほか、近鉄線内で阪神の車両を、また阪神線内で近鉄の車両を試運転するなど、開業に向けた準備が着々と進められている。

阪神なんば線 レール締結式 運行ダイヤの詳細はまだ決まっていないが、三宮-近鉄奈良間を約80分(940円)、三宮-近鉄難波間を約40分(400円)で結ぶ。「快速急行」をほぼ終日にわたり1時間当たり3本、平日朝のラッシュ時は1時間当たり5本を運転する。「普通」など阪神なんば線(尼崎-近鉄難波間)内の各駅に停車する列車は、尼崎-近鉄奈良間を最長運転区間として1時間当たり3本(休日は6本)運転する。

阪神なんば線、ダイヤ概要を発表-神戸・奈良間直通列車は毎時3本

■期待される神戸方面からの集客

南堀江ストリート 現在でも、三ノ宮からJRを利用し、梅田で地下鉄に乗り換えることで三ノ宮-なんば間を約40分で移動することができる。しかし乗り換えの手間と620円という運賃のため、神戸方面からわざわざなんば方面まで買い物など遊びに来る層は多くはなかった。阪神なんば線の開業で、乗り換えなしでしかも400円で三宮-難波間が移動できるようになるため、これまで難波に足を運ばなかった層の集客が期待できる。

 アメリカ村や南堀江といった面的に広がるファッションストリートを抱える広域なんば圏には、梅田にはない「買い回り」の楽しさがあるため、これまで梅田方面に吸引されてきた神戸方面からの買い物客の一定数を取り込める可能性がある。

阪神なんば線 桜川駅 また阪神なんば線により新設される新3駅「九条」「ドーム前」「桜川」のうち、広域なんば圏に属する「桜川」駅は、南堀江の立花通りの西方に位置するため、桜川で下車して立花通りを歩きアメリカ村へと散策する動線が考えられる。これまで立花通りへのアプローチは東側からに限られていたが、桜川駅の開業により西側からもアプローチすることができるようになる。

「九条」「ドーム前」「桜川」の新3駅をいち早くレポート

■「キャナルテラス堀江」が南堀江の玄関口に

 阪神なんば線の開業を前に、湊町・南堀江周辺が活気づいている。これまで大規模商業施設が少なかった南堀江に昨年7月15日、飲食施設キャナルテラス堀江が開業した。現在は東棟のみの開業だが、2月には西棟が完成し、全面開業する。

浮庭橋 また湊町リバープレイスとキャナルテラス堀江の間に昨年12月20日、長さ76.3メートルのつり橋形式の歩行者専用橋「浮庭橋(うきにわばし)」が開通した。これによりJR難波駅や近鉄難波駅の西方から湊町リバープレイスを通り、浮庭橋を経てキャナルテラス堀江へと抜ける動線が確保された。これまであいまいだった南堀江の玄関口ができた格好だ。

南堀江に新たなランドマーク-「キャナルテラス堀江」7月15日開業歩行者専用橋「浮庭橋」が供用開始-平松市長らが参加し除幕式

■湊町に新たなランドマーク「マルイト難波ビル」

マルイト難波ビル 湊町リバープレイスの南側、JR難波駅の東隣の10,547平方メートルの広大な敷地には現在、31階建ての「マルイト難波ビル」が建設中だ。低層階(地下1階~3階)に物販店舗、中層階にオフィス(7階~20階)、高層階(21階~31階)に「ホテルモントレ グラスミア大阪」が入居を予定しており、2009年6月の竣工(しゅんこう)を予定する。

 南堀江の新たな玄関口となるキャナルテラス堀江に近く、阪神なんば線と接続する近鉄難波駅の西口改札にも近い、利便性の高い新たなランドマークが誕生する。

■南海難波駅周辺のリニューアルが秋に完成

南海ビル 南海電鉄は現在、難波駅を中心とする「南海ターミナルビル」のリニューアルを行っている。「大阪・ミナミの玄関口」と位置づけ、同駅をリニューアルするとともに、「高島屋」や「なんばCITY」など周辺施設への移動をスムーズ化する工事を進めている。既に昨年5月末に南海ビルの外壁正面部のリニューアルを完成、引き続き東側と西側の外壁改修を行っている。

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 南海ビルの東側には高島屋が秋の完成を目指して「TE館」を整備中だ。第1期工事で南側の半分が完成しており、現在は第2期工事として北側の半分を建設している。既存の本館とTE館とを各フロアで接続し、全体を「新本館」として一体運営する。これにより新本館は現在の本館の約1.4倍となる。

高島屋 TE館 新本館にはこれまで1階、2階部分でしか接続していなかった南海難波駅と、3階コンコース部分で新たに接続する。またTE館の1階には東西に抜ける通路を整備する予定で、利便性の向上が期待される。

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■道頓堀周辺は新陳代謝の激しいエリア

閉店したくいだおれ 昨年7月8日の「大阪名物くいだおれ」の閉店が象徴するように、道頓堀の周辺では有名店の撤退が相次いでいる。同月27日にも老舗日本料理店「半田屋」が閉店したほか、今年3月末にはフードテーマパーク「道頓堀極楽商店街」の閉店も決まっている。また戎橋を渡った東側にあった「KPOキリンプラザ大阪」も昨年10月末で閉館している。

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 一方で道頓堀は新規出店も多いエリアだ。閉店した「くいだおれ」のすぐ近くにある中座ビル(地下2階、地上7階)は春に「くいだおれ中座ビル」へと改称、インテリアデザイナー森田恭通さんによる「カオスの大阪文化」を表現したファサードを設けるとともに、「くいだおれ」の看板が復活する予定だ。店頭には「くいだおれ太郎」が復帰する。

ラズ心斎橋 KPOキリンプラザ大阪の跡地を保有する丸紅は昨年12月12日、秋の竣工を目指して建設中の商業ビルの名称を「ラズ心斎橋」とし、核テナントとしてスウェーデンのカジュアル衣料チェーン「H&M(ヘネス・アンド・モーリッツ)」が2010年春に出店すると発表した。ラズ心斎橋は地下1階、地上7階の8フロア構成で、そのうち1階~4階までの4フロアを同店が使用する。

 閉店の話題が相次いだ道頓堀だが、くいだおれ太郎が復帰し、H&Mが出店を控えているなど、今後に向けての明るい話題も見えてきた。新陳代謝の激しいエリアだけに、集客力のある店舗の出店が起爆剤となり、活気を取り戻す可能性も出てきた。

キリンプラザ跡地「ラズ心斎橋」の核テナントに「H&M」-関西初出店へ

戎橋から見た道頓堀

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