高島屋東別館(大阪市浪速区日本橋3)が、国の有形文化財(建造物)に登録された。
同館は、1928(昭和3)年の建築。鉄筋コンクリート造、地上9階、地下3階建てで、延べ床面積は4750平方メートル。昭和の初めに建設され、これまで約90年にわたり、百貨店が最も華麗だった頃の内外装を今に伝える貴重な建築物として知られている。今回、有形文化財の登録基準である「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と評価された。
建築から1966(昭和41)年まで松坂屋大阪店として営業。この間、増改築を繰り返し、1940(昭和15)年には、延べ床面積が1万2000坪と松坂屋最大で、国内でも最大規模の百貨店だったという。その後、1968(昭和43)年に高島屋が東別館として事務所などとしての利用を開始。1970(昭和45)年には高島屋が保有する美術・着物・資料などを展示する高島屋史料館も開設した(現在は改装のため休館中)。
全体にアールデコ調のデザインでまとめられた建物外観は、1階と2階の一部を「基壇」、2階~6階を「主階」、7階を「アテック階」とする3層構成となっており、堺筋沿いの1階には約67メートルものアーケードを設け、11連のアーチ状の開口部が外観の特徴となっている。
現在は改装工事中で、サービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」(キッチンなど長期滞在を可能とする設備を設けたホテル)、商業テナント(フードホール)、高島屋史料館のほか、高島屋の事務所として、2020年の初めにリニューアルオープンを予定する。