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アメ村の書店で震災写真家がトーク-福島原発作業員が経験語る

実際の作業用装備など、写真を使いながら解説

実際の作業用装備など、写真を使いながら解説

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 アメリカ村の書店「スタンダードブックストア」(大阪市中央区西心斎橋2、TEL 06-6484-2239)地下1階のカフェで4月7日、東日本大震災に関連したトークショーが行われた。

会場では小原さんが撮影した原発作業員らの写真の展示も

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 登壇したのはフォトジャーナリストの小原一真さんと、3月まで福島の原子力発電所で働いていた小川篤さん。小原さんは震災を機にそれまで働いていた会社を辞め、被災地での取材を開始。主に福島で働く作業員らのポートレート撮影を基にした写真集「Reset Beyond Fukushima-福島の彼方に」を出版した。小川さんは10~20代のときに福島原発で働いた経験を持ち、震災後も被災地での復旧作業を経て、昨年11月から福島第一原発での作業員として勤務していた。

 トークショーではまず、福島第一原発の現状や放射線量、作業員の労働環境、健康管理、装備などが説明された。小川さんが「マスクをしているから、10分に1回休憩を入れないと倒れてしまう」「作業員は、通常時の原子炉建屋内と同じぐらいの放射線量の場所で休憩している」など話すと、小原さんは「こうした作業員の方がいるおかげで今の私たちがいる。それにちゃんと向き合わなければいけない。写真を撮ったのも、そんな人たちをもっと身近に感じてもらいたかった」と聴衆に語りかけた。

 途中、東京電力や作業員の労働環境、作業中の精神状況についての話に及ぶと、怒りに声を詰まらせ涙ぐむ場面も。それでも働いた理由については、「不安に思う地元の人たちに、『私たちが何とかするから』と言いたかった」と語った。

 トークショー終了後の質疑応答では、作業員の健康を気遣う声や原子力・放射線に関しての質問、がれき処理問題についてなどの話題が交わされた。小川さんは「被災地ではなく、遠く離れた大阪の人たちはどういう風に原発事故をとらえているのか知りたかった」と話した。

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