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登山をモチーフにした現在美術家・山下耕平さん、南堀江で初の個展

現代美術家・山下耕平さん、印刷物の切り抜きとアクリル画を組み合わせた作品「snow(tent)」の前で

現代美術家・山下耕平さん、印刷物の切り抜きとアクリル画を組み合わせた作品「snow(tent)」の前で

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 南堀江のギャラリー「TEZUKAYAMA GALLERY(テヅカヤマ・ギャラリー)」(大阪市西区南堀江1、TEL 06-6534-3993)で現在、登山をモチーフにした山下耕平さんの個展「Traverse(トラバース)」が行われている。

ビニールボールなどを積み上げて「ケルン」に見立てた立体作品「Cairn」

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 1983(昭和58)年茨城県生まれの山下さんは、2008年に京都市立大学芸術学部構想設計専攻を卒業、今年3月に同大学大学院造形構想専攻を修了したばかり。在学中から制作活動をスタートし、宇宙空間に浮かぶ天体や山に登る登山者などをモチーフに作品を発表してきた。

 「アウトドアカルチャーを美術に取り入れること」を創作テーマに掲げている山下さんは、普段から近場の山や北アルプスに登る登山者でもある。ヘッドランプやシュラフ(寝袋)など登山用具の実用性に優れた「形」、ウエアやヘルメットの鮮明な「色」が「創作意欲を沸かせてくれる」と山下さん。「登山を終えて帰ってきた後、山で見かけた登山者や、登っている自分自身の姿を思い出しながら作品を制作する」という。

 卒業後初の個展となる同展は、山下さんを「卒業前から注目していた」同ギャラリー代表の松尾良一さんからの呼びかけで実現したもの。「山頂や登山路に、道標や記念として石を円錐状に積み上げたもの」を意味する「ケルン」を核に、そこから派生した「集積、球・円、ミクロ・マクロ、遠近」をテーマに制作。「ある日、登山道でケルンの先端と遥か先の山頂が重なって見えた時、山とケルンのスケールや遠近の関係が崩れ、すべてが同じ『石の集積』としてつながっていった」と話す山下さん。会場では、そうした登山での「経験や記憶」をユニークに表現したコラージュやアクリル画などの作品約30点を展示する。

 タイトルの「トラバース」は「山の斜面を横切って進むこと」という登山用語だが、「山頂と山頂をつなぐ屋根を伝い歩くこと(=縦走)」という意味もある。山下さんは、「空間に散らばった作品群の間を縦走するように、作品一つひとつを観客の皆さんにつないでいってほしい」と願いを込める。

 開廊時間は11時~19時。日曜・月曜定休。今月16日まで。

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