南船場で夏の恒例企画「ホルガエキスポ」-全国から67人が参加

「不自由なカメラだからこそ撮れる写真がある」とホルガの魅力を語るホルガ会代表の吹雪さん

「不自由なカメラだからこそ撮れる写真がある」とホルガの魅力を語るホルガ会代表の吹雪さん

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 南船場のギャラリー「ナダール大阪」(大阪市中央区南船場3、TEL 06-6251-8108)で現在、中国製のトイカメラ「ホルガ」で撮影した作品を展示する写真展「ホルガエキスポ」が行われている。

発売から30年近くたった今も世界中に多くのファンを持つホルガ

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 ホルガエキスポは、ホルガ専門写真サークル「ホルガ会」が2002年から行っている夏の恒例企画。2005年からは「ナダール渋谷355」(東京都渋谷区)でも同時開催している。ホルガ会の会員であれば誰でも参加できる同展には、会員暦の浅い人からベテランユーザーまで、毎年数多くの応募があるという。9回目を迎える今年は、全国から集まった67人の作品を大阪と東京の会場で2週間展示する。

 ピンぼけや、四隅の黒い影「ケラレ」など作品に見られる特有の「あら」が注目を集め、発売から30年近くたった今でも世界中に多くのファンを持つホルガ。ホルガを製造する「ホルガリミテッド社」(香港)が選ぶ「世界のホルガ写真家10人」にも選出されているホルガ会代表の吹雪大樹さんは、「便利さを追求する今の時代に、必要最低限の機能しかないカメラが作られていること自体が奇跡だと思う。少しずつ改良が加えられているけど、どこか抜けている。そんな人間らしさが根強く支持される理由では」とその魅力を分析する。

 「特別な機能がない『不自由な』カメラだからこそ、工夫のしがいがある」という吹雪さん。そんなホルガの面白さを分かち合おうと2001年に発足したホルガ会。当初22人だった会員数は、現在では2,400人に達するほどの大所帯に。「ほかの人の撮影スタイルや技に直接触れることで、何かヒントを得てもらえれば」と、品評会や年に1度の公式撮影会など、会員同士が気軽に交流できるイベントを開催している。

 「ホルガという共通点を通して、キャリア・世代・国を超えて交流できるところ」が特徴というホルガ会は、国内はもちろん、韓国やシンガポール、ヨーロッパにも会員の輪が広がっている。吹雪さんは、「人がこんなに増えることも、活動がこんなに続くとも思っていなかった。それが来年10周年を迎えることを思うと、とても感慨深い。人を結びつける力を持ったホルガの魅力を伝えるホルガ会の活動が、日本のカメラ界の一端を担うようになれれば」と意欲をみせる。

 開催時間は11時~19時。入場無料。月曜休廊。9月5日まで。

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