千日前「味園ビル」屋上で2日限りのビアガーデン-館内ツアーも

会場となる1956年創業の「レジャーシティ味園ビル」

会場となる1956年創業の「レジャーシティ味園ビル」

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 千日前の「レジャーシティ味園(みその)ビル」(大阪市中央区千日前2)の屋上で7月30日・31日、限定イベント「トロピカルビルパラダイス」が開催される。

屋上ビアガーデンのフライヤーもレトロなデザインに

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 500人を収容する宴会場・キャバレー・ホテルの入った「味園ビル」は1956(昭和31)年に開業したレジャー施設で、創業50周年を迎えた現在も運営されている。外観と内装に施した独特のデザインが特徴の同ビルに注目しイベント会場に選んだのは、1950~1970年代の建物の魅力を探り独自に発信しているグループ「BMC(ビルマニアカフェ)」。

 同グループは、建築家の高岡伸一さんと岩田雅希さん、不動産業を営む阪口大介さんの3人が、「戦後の建物が壊されては新しく建て替えられていた時代だった」という2007年、「戦後建築の魅力を自分たちが発信することで、『ええもんや』という気付きを一人でも多くの人に持ってもらえたら」という思いで活動を始め、新たに2人のメンバーを加えた2008年に本格始動した。

 「財閥がビルを所有していた戦前の『格式高い』レトロビルや、工場で加工された『プラモデル』のような今のビルに比べ、高度経済成長によって個人や会社がビルを所有できるようになった戦後ビルには、所有者の個人的なこだわりや思いが随所に詰まっている」とその魅力を語るメンバーの阪口さん。

 そうした各建物にまつわる逸話を紹介する隔月刊の雑誌「月刊ビル」(210円)を今年4月に創刊したほか、戦後ビルを会場にしたイベントやビルを巡るツアーを随時開催している。本部事務所として利用する戦後ビル「鉄道広告社」(北区天満3)では、ビルにちなんだ雑貨やBMCグッズを販売する売店「BMCキオスク」(営業時間は14時~19時。火曜・日曜定休)も展開する。

 同グループが年に一度の恒例の大イベントとして開催するトロピカルビルパラダイス。中之島で昨年行ったイベント「BBB(ビル・ビール・バー)」には、2日間で約300人が訪れた。ヤシの木やキャバレーの照明で会場を飾るなど、「レジャービルである味園らしさを生かした華やかな演出を心掛けた」(阪口さん)という今年は、河内屋菊水丸さんの音頭取りによる盆踊り大会(30日19時~)やドラム缶楽団「ラスティックパンズ」のライブ(31日19時30分~)を行う。31日に開催予定の味園ビル館内を巡る「見学ツアー」(全2回)は既に各回20人の定員に達し、申し込みを締め切るほどの人気だという。

 阪口さんは「未来に向かってまっしぐらだった当時の雰囲気を楽しんでもらおうと企画した。BMCのメンバー内でもお気に入り上位にランクする味園ビルの魅力を味わってもらえたら」と話す。

 開催時間は両日とも17時~21時。2,000円(1ドリンク付き)。小雨決行。

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