リリース発行企業:株式会社Drop
ビジネスと人権/サステナビリティの専門企業である株式会社Drop(本社:大阪市北区、代表取締役:米田 真介、以下「当社」)は、2026年10月1日、同日からすべての事業主に義務づけられたカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)対策を、実務担当者が自社の文書・仕組みとして整えるための「カスハラ対策 5ステップ実務ワークブック」(Word・Excel 全10点、無料)を公開しました。あわせて、一次対応者・管理職など立場別に学べるeラーニング動画4テーマの提供を開始しました。カスハラ被害を受けた従業員の相談窓口については、苦情処理メカニズム(グリーバンスメカニズム)のAIサービス「coe company / coe worker」による構築・運用支援もあわせてご案内します。現状診断シートで自社に足りない措置を確かめ、該当するステップのひな形・ワークシートに書き込むだけで、基本方針・相談窓口・対応マニュアル・研修計画・記録と抑止のルールまでを順に整えられます。
背景:働く人の1割が被害を経験、そして今日から「義務」に
被害の広がりと、対策の遅れ
厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年間に勤務先で顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)を受けた労働者は10.8%で、パワーハラスメント(19.3%)に次いで高い割合でした。業種別では「生活関連サービス業、娯楽業」16.6%、「卸売業、小売業」16.0%、「宿泊業、飲食サービス業」16.0%と、接客の多い業種ほど高くなっています。
同調査の企業調査では、過去3年間にカスハラの相談があった企業は27.9%でした。相談件数が「増加している」企業(23.2%)は「減少している」企業(11.4%)を上回り、「増加」の割合は各種ハラスメントのなかで最も高くなっています。一方、カスハラの予防・解決に取り組む企業は64.5%にとどまり、パワーハラスメント(95.2%)、セクシュアルハラスメント(92.7%)と比べて低い水準です。取組企業の76.1%が相談窓口を設置・周知していますが、対応マニュアルの作成・研修の実施は全企業の13.7%でした。
労働者調査では、カスハラを受けた後に「何もしなかった」人が35.2%にのぼり、その理由の56.1%が「何をしても解決にならないと思ったから」でした。窓口を「設けること」と「機能させること」の間には、大きな隔たりがあります。
顧客との接点が対面・電話・メール・SNSへと広がるなかで、従業員が一人で矢面に立たされる場面は、業種を問わず生じています。
2026年10月1日、すべての事業主に措置義務
2025年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から、カスハラ防止のための雇用管理上の措置がすべての事業主の義務となりました。企業規模・業種を問わず、労働者を1人でも雇用する事業主が対象です。措置の具体的な内容は、2026年2月26日に告示された厚生労働省の指針で定められています。
指針が事業主に求める措置は、次の5つの柱です(厚生労働省リーフレットより)。
- 事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
- 相談体制の整備
- 事後の迅速かつ適切な対応
- 対応の実効性を確保するために必要なカスハラの抑止のための措置
- 相談者等のプライバシーの保護、不利益取扱いの禁止など、併せて講ずべき措置
これまでパワーハラスメント防止指針のなかで「望ましい取組」とされてきたカスハラ対策が、法律上の義務に転換されたことになります。
措置義務に違反した事業主は、報告徴求、助言・指導・勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名が公表されることがあります。
出典:厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」(労働政策研究・研修機構「ビジネス・レーバー・トレンド」2024年8・9月号の解説より)、厚生労働省リーフレット「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」、BUSINESS LAWYERS「2026年10月カスハラ対策が義務化!企業が講ずべき措置を解説」(森・濱田松本法律事務所 弁護士執筆)
開発の経緯:「何が求められているか」は分かった。手が止まるのは、その先
指針や解説記事を読み、何が求められているかは把握できた。けれど、方針の文面を書く、判断基準を決める、窓口を設計するといった「実物」をつくる段階で手が止まっている。当社は、そうした実務担当者が少なくないと考え、本ツールを開発しました。
当社は2019年の創業以来、サステナビリティ・人権領域で644社超を支援し、苦情処理メカニズムの構築・運用にも携わってきました。カスハラ対策は、従業員の尊厳と安全を守る取組であると同時に、正当な申し出をする顧客、配慮を必要とする顧客の権利を損なわない線引きが求められる取組です。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)にもとづき、企業活動に関わるすべての人の人権を尊重する視点から整理することに、当社が取り組む意味があると考えました。
提供内容
カスハラ対策 5ステップ実務ワークブック(Word・Excel 全10点)
すべてを順番に進める必要はありません。最初に「現状診断シート」で指針の措置ごとに自社の対応状況を確かめ、抜けている項目の対応ステップから着手できる構成です。

カスハラ対策5ステップ実務ワークブック(一部)

eラーニング動画(4テーマ)

カスハラ対策eラーニング(動画イメージ)

ワークブックのSTEP4(周知・研修)で立てた研修計画に、そのまま組み込んで活用できます。
3つの特長
特長1:指針の措置を実務の単位に分解し、「足りない所から」着手できる
Excelの現状診断シートは、指針が求める措置を21の実務項目に分解したもの(義務12項目、義務の履行例4項目、努力義務・望ましい取組5項目)です。対応済みの項目にチェックを入れると、義務項目の対応状況が自動で集計され、未対応の項目ごとに着手すべきステップの資料が示されます。すでに方針やマニュアルがある企業も、該当ステップの資料で点検しながら不足を補えます。
特長2:解説ではなく「書き込めば完成する実物」
基本方針は社内版と社外公表版の穴埋めひな形、不利益取扱い禁止の規定例までを収録しました。対応マニュアルは、判断基準を「言葉」と「時間・回数」の2軸で決めるワークシートと、自社用に仕上げるためのたたき台をセットにしています。現場は事実の把握と安全の確保まで、該当するかの判断と対応の決定は責任者以上、という役割分担を前提に組み立てており、判断の責任を現場の個人から組織へ移せます。事案記録票と拠点間で共有する事案管理台帳により、同じ相手からの不当な要求に、どの拠点でも同じ対応をとれるようにします。
特長3:ビジネスと人権の視点で、「守る」と「受け止める」を両立する
正当な意見・要望や、障害のある方からの合理的配慮の求めはカスハラにあたらないことを、方針とマニュアルの双方に明記しました。性的指向・ジェンダーアイデンティティなど機微な個人情報の暴露や開示の強要も、カスハラの類型に含めています。相談窓口は、苦情処理メカニズムの構築・運用で培った知見にもとづき、「相談しやすいこと」「二次被害を生まないこと」「是正までつながっていること」の3つの観点で実効性を点検できるようにしました。
相談窓口の実務:「相談しても解決しない」を仕組みで変える
カスハラ被害を受けた従業員が安心して相談でき、その相談が是正までつながる窓口は、措置の中核です。ワークブックのSTEP2で窓口を自社で設計する企業に加え、窓口の構築・運用そのものを外部の力も借りて整えたい企業に向けて、当社は苦情処理メカニズムのAIサービス「coe company / coe worker」を提供しています。
- 相談者向けアプリ「coe worker」:完全匿名(メールアドレス登録も任意)で、24時間365日相談できます。AIヒアリングが、何が起きたか(5W1H)と「求める救済・解決」の言語化を支援します。
- 企業向け管理システム「coe company」:AIによる緊急度・深刻度のスコアリング、法令・ガイドラインを踏まえた対応措置の提示、返信メッセージの作成支援、相談データの傾向分析を行います。
- 運用代行:当社の専門チームが第三者として受付・トリアージ・調査支援を代行し、48時間以内に初動対応します。AIによる自動分類と専門チームのダブルチェックで運用します。
料金は従業員数に連動し、月額6,000円(税抜)〜、運用代行込みプランは月額26,000円(税抜)〜です。相談の傾向分析は、ワークブックSTEP5の事案管理台帳とあわせて、方針・マニュアル・研修の見直しに活用できます。サービスの詳細は https://coecompany.jp/ をご覧ください。
提供概要

- ワークブック紹介記事:https://coecompany.jp/article/post/customer-harassment-toolkit
- eラーニング:https://e-learning.bhr-shift.com/#individual-themes
本ツールは、改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号)、厚生労働省の指針(令和8年厚生労働省告示第51号)、同「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版・2026年9月)」等を参考に当社が作成した実務補助ツールです。法令・指針の公式な要約ではなく、個別の法的判断に代わるものではありません(2026年9月時点)。
会社概要
会社名:株式会社Drop(Drop Inc.)
代表者:代表取締役 米田 真介
設立:2019年4月1日
資本金:600万円
大阪オフィス:〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町6番38号 グラングリーン大阪北館JAMBASE6階 JAM-DESK
東京オフィス:〒108-6028 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟28階
事業内容:ビジネスと人権コンサルティング(人権方針策定、人権DD、人権リスク調査)、苦情処理メカニズム構築支援、研修・ワークショップ、eラーニング、オリジナル動画制作、SDGs・サステナビリティ研修/コンサルティング、「coe company」「coe worker」の運営
支援実績:サステナビリティ・人権領域で644社超を支援、27万人以上に情報発信(2019年の創業以来)
コーポレートサイト:https://drop.ne.jp/
サービスサイト(企業向け):https://coecompany.jp/
サービスサイト(個人向け):https://coeworker.jp/
本件に関するお問い合わせ・取材のお申し込み
株式会社Drop 担当:藤原
メール:fujiwara@drop.ne.jp