関西のジャズ情報を伝えるフリー誌「WAY OUT WEST」が間もなく創刊1周年を迎える。発行するのは、ジャズ関連のグラフィックデザインやイベント企画などを手がけるJAZGRA（大阪市西区新町3）。

　発行する藤岡宇央さんは、グラフィックデザイナーとして活躍していた20代後半にジャズと出会った。「もともとロックなどを聴いていたが、ジャズが新鮮で魅力を感じた。演奏を生で聞きたいと思い関西のライブ情報をインターネットで探したがなかった」（藤岡さん）ことから、2004年10月、自らホームページ「ジャズやねん関西」を立ち上げ、その後、ジャズ専門のデザイン事務所として独立した。

　昨年4月に創刊した月刊のフリー誌「WAY OUT WEST」は、A5サイズ16ページ。ミュージシャンへのインタビューをはじめ、コラムやライブ情報などを掲載する。藤岡さんは表紙イラストや誌面デザイン、編集、取材を1人でこなす。現在の発行部数は約1万部で、大阪ミナミ、キタ、神戸のCD店や楽器店、ジャズクラブ、大学のジャズ研究会などで配布している。

　来日した海外のアーティストへのインタビューも積極的に行うほか、昨年7月号には平松邦夫大阪市長が登場し、大好きなジャズについて語るなどの企画も行った。藤岡さんは「関西で唯一のジャズのフリー誌として認知度が高まってきた。不況のためジャズの関西公演が減るなど厳しい状況が続いているが、まずは今後もこのフリー誌の発行を続けていくことが大切」と継続の大事さを強調する。