プレスリリース

自動車部品向けフィルム加飾の新工法を共同開発

リリース発行企業:日本ペイントホールディングス株式会社

情報提供:

日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社(本社:大阪府枚方市、 代表取締役社長:西村 智志、以下「当社」)は、子会社のNippon Paint Automotive Americas, Inc.と、株式会社 大気社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:長田 雅士、以下「大気社」)のグループ会社であるTaikisha USA, Inc.が、2026年9月29日、米国ミシガン州で開催された「2026 SPE TPO Global Automotive Conference」において、自動車部品向けフィルム加飾に関する新工法を共同発表したことをお知らせします。

自動車用塗料の開発・製造を手掛ける当社と、塗装設備・ライン設計に豊富な実績を持つ大気社は、両社の技術と知見を融合しフィルム加飾技術の開発を進めてきました。大型部品であるバンパーを1つのモデルに、デモラインを用いた量産性検証で明らかになったクリティカルな課題を新工法によって解決します。

■ 新工法のポイント
新工法の最大の特長は、量産性検証で抽出された主要課題である「コスト」および「トリミング品質」の改善に加え、生産性向上のためのサイクルタイム短縮、ならびにプロセスにかかるエネルギー削減にも同時に取り組んだ点です。
従来工法では、部品サイズに対して一回り大きい加飾フィルムが必要であり、真空圧空成形後には約70%が廃棄されるため材料コストの大幅な増加が課題でした。さらにはレーザーカットによるトリミング品質にも課題があり、量産化にはこれらの課題解決が不可欠でした。

新工法では、安価なキャリアフィルムに必要なサイズの加飾フィルムを配置し成形することで、加飾フィルムの歩留まりを90%以上と大幅に向上させました。また加飾フィルムには切り込みが施されており、成形後にキャリアフィルムを剥離することで不要な部分が一度に取り除かれます。これにより課題となっていたレーザーカットによるトリミング工程そのものをなくすことが可能になりました。加えて、キャリアフィルムはリサイクル可能で環境負荷低減につながる設計です。これらにより、コスト面においても塗装システム同等以下となることを見込んでいます。


従来工法と新工法における加飾フィルム使用量の比較イメージ(左:従来工法 右:新工法)


新工法のフィルム仕様と工程




■今後の見通し
フィルム加飾プロセスは、高い意匠性や環境性能に加え、省エネルギー化・省人化への貢献が期待されています。一方で、生産能力やコスト面の課題から、これまで適用範囲は限定的でした。本工法の確立により、こうした課題の克服を目指し、フィルム加飾の適用範囲を広げていきます。まずは小型樹脂部品への適用を進め、今後は大型樹脂部品、さらには車体全体への適用を視野に市場導入に向けた検証と開発を加速してまいります。

(参考)フィルム加飾技術の概要
本技術は、従来の塗装色を再現できるだけでなく、フィルムならではの多彩な意匠表現や、用途に応じた機能性の付与を可能にする新しい加飾工法です。フィルム加飾ラインは従来の塗装工程と比較して建屋容積を70%以上削減でき、省スペース化を実現します。また、無人化・省人化やメンテナンス工数の削減に加え、CO2排出量の大幅削減など、環境にも人にも優しい新しい加飾工法です。当社が長年培ってきた自動車用コーティング技術を活用し、自動車部品に求められる高い性能との両立を実現します。




■ 発表概要
会議名:2026 SPE TPO Global Automotive Conference
開催期間:2026年9月28日〜30日
発表日:2026年9月29日
開催地:米国ミシガン州トロイ
共同発表:Nippon Paint Automotive Coatings America、Taikisha USA, Inc.
発表題目:Establishment of a Film Decoration Technique Applicable to Large PP Parts
公式サイト:https://auto-tpo.com/