シニアホーム(※1) 紹介事業の株式会社笑美面(本社:大阪市西区)は、2026年8月28日(金)、大阪市立総合医療センターの感染症専門医およびメディカルソーシャルワーカー(MSW)を講師に迎え、シニアホーム運営事業者を対象とした「在宅の可能性を広げるために〜感染症・感染症管理セミナー」を開催したことを報告します。
約30人が参加した本セミナーは、高齢者の住まいの選択肢拡大を目的に実施している取り組みの一環として、近年高齢化が進み受け入れニーズが高まるHIV陽性者をテーマに開催したものです。
当日は、退院支援の現場課題や感染症・HIVに関する正しい知識について学ぶとともに、質疑応答や意見交換を実施。医療機関とシニアホーム事業者の相互理解を深め、受け入れ体制の向上に向けた連携を促進する機会となりました。
※1:シニアホームとは、当社が主に紹介する有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅およびグループホームをまとめて示す。

関西に拠点を持つシニアホーム運営事業者の事業責任者など、約30人が参加
セミナーでは、大阪市立総合医療センター医療ソーシャルワーカー 瀧浦その子氏が登壇し、「HIV陽性者の支援の実際について」をテーマに講演。HIV治療の進歩により陽性者の高齢化が進む現状や、退院支援の実際について事例を交えて紹介されました。
瀧浦氏は、HIVはすでに治療可能な慢性疾患となっており、認知症や骨折、脳卒中など一般の高齢者と同様の理由で介護やシニアホーム入居が必要となる人が増えつつある現状の報告がありました。一方で、HIVへの無知による誤解や経験不足からシニアホームの受け入れ先の確保が難航するケースがあることを共有しました。
また、同性パートナーが支援の中心となるケースや身寄りのない方への支援など、多様な社会背景への理解の重要性にも触れ、「HIV陽性者としてではなく、一人の生活者として、その人らしい暮らしを支える視点が大切」と呼びかけました。
続いて、大阪市立総合医療センター 感染症内科 白野倫徳氏が登壇し、「感染症とHIV/エイズの基本」をテーマに講演しました。
白野氏は、介護現場における感染症対策の基本について解説。感染症への不安の多くは「知らないこと」から生まれるとし、介護現場における標準予防策の重要性を解説しました。また、HIVは日常生活や通常の介護行為では感染せず、適切な治療によって感染リスクは極めて低く管理できる疾患であると、感染経路や針刺し切創1回あたりの感染リスク、HIVに感染する確率などと併せて説明。治療も進歩し、服薬はシンプルになったなど、「正しい知識と医療・介護の連携があれば、HIVを理由に受け入れをためらう必要はない」と述べ、病院とシニアホームが相談し合える関係づくりの重要性を呼びかけ、講演を締めくくりました。
質疑応答では、受け入れ体制づくりや職員理解の促進に関する質問が寄せられました。登壇者からは、これまで同院と連携してHIV陽性者を受け入れてきた施設では、HIV陽性者特有の大きなトラブルは確認されていないことが紹介され、適切な知識と対応体制があれば受け入れが可能であることが共有されました。また、針刺し事故発生時の対応や、耐性菌・梅毒など施設で相談の多い感染症についても解説が行われ、医療機関とシニアホームが連携することの重要性が改めて確認されました。
セミナー終了後には、大阪市立総合医療センターの白野氏から、「感染症は“知らないこと”が不安につながりやすい。今回のように病院とシニアホーム事業者が直接学び、対話できる場は非常に価値がある」との声が寄せられました。また、「病院だけでは施設とのネットワーク構築や情報発信には限界がある。多くの施設との接点がある笑美面には、今後も医療と介護を結ぶ機会を創出し、受け入れに関する正しい知識の普及と選択肢の拡大につなげてほしい」と期待が語られました。